数学I / 2次方程式・2次不等式

実数解の制約つきの対称式の最小

最難関編解と係数の関係定義域の罠

問題

の2次方程式 が実数解 (重解を含む)をもつとき、 の最小値と、そのときの の値を求めよ。

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対称式を の式にするのは一本道 — 落とし穴はそのあと。 は好きな値を動けるのか? 「実数解 をもつ」という前提が の動ける範囲を削っている。頂点がその範囲に入っているかを必ず見ること。

解答・解説

方針

α²+β²=(α+β)²−2αβ=4k²−2k−4 と k の2次関数にする。ただし「実数解をもつ」判別式条件 k≤−1 または k≥2 が定義域になる。頂点 k=1/4 は定義域の外! 2次関数の増減から、定義域の端 k=−1 と k=2 の値を比べて最小を決める。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 解と係数の関係で の2次関数にする。ここまでは定石どおりだ。

罠は定義域にある。 が実数であるためには判別式 が必要で、 または しか動けない。ところが の2次関数の頂点 は、このすき間(禁止帯)のド真ん中にある。頂点の値を答えたら即アウトだ。それは という、あり得ない値である。

放物線の増減を見て、禁止帯の両端 の値比べで最小を決める。

重要解と係数を使ったら判別式を定義域として添える。2次関数の最小は「頂点が定義域内か」の確認から — 外なら端で決まる

① 対称式を で表す。 解と係数の関係より

② 定義域(判別式)。

③ 定義域の上で最小化する。 の頂点は 。定義域の外だ。放物線は頂点より左では減少だから、 では右端 で最小。 では左端 で最小。値を比べると

よって最小値は ( のとき)。検算しよう。このとき方程式は で、。たしかに ✓。

kg(k)O(−1, 2)(2, 8)頂点(圏外)-12
g(k)=4k²−2k−4。定義域は縦破線の外側(k≤−1, k≥2)。頂点 k=1/4(白抜き)は禁止帯の中で使えない — 最小は端 k=−1 の g(−1)=2

まとめ: 「解と係数で表す」と「判別式で定義域を切る」はワンセットだ。忘れると頂点値 という負の平方和(あり得ない!)を答えてしまう。答えの検算まで戻って確かめる癖が、この罠を二重に防いでくれる。

最小値 ( のとき)

別解

を消して、解の世界だけで考える(得意な人向け)。 から を消去すると

これが に課された条件の正体だ。パラメータ はもう要らない。

実数 が存在する条件は 。整理すると で、 または 。目標の量は

この の2次関数の頂点 も、やはり許される範囲の外。端で比べて 。最小値 (、すなわち )。

「パラメータを消して、残った変数どうしの直接の拘束にする」。この発想は文字の多い問題全般で効く。本解と同じ罠(頂点が圏外)が の世界でも同じ姿で現れるのが面白いところだ。

ポイント

  • (解と係数)。
  • 判別式で — 頂点 は圏外。
  • 端の比較 → 最小2()。

よくある間違い

  • 判別式を忘れて頂点 の値 を最小と答える。平方の和 が負になった時点で警報が鳴るはず。答えの検算は罠の検知器になる。
  • 「実数解(重解を含む)」なのに (重解を除く)で範囲を作ってしまう。最小を与える は重解の場合なので、自分で答えを捨てることになる。
  • 定義域が2つの区間に割れているのに、片側の端 だけ計算して答える。 との比較まで書いて初めて最小が確定する。