数学I / 2次方程式・2次不等式

解の配置(異なる2つの正の解)

★★ 標準解の配置

問題

の2次方程式 が異なる2つの正の解をもつような定数 の値の範囲を求めよ。

ヒントを見る

解かずにグラフで。『異なる2つの正の解』→ ①、②軸(頂点の )が正、③。この3つを同時に満たす を。

解答・解説

方針

『異なる2つの正の解』は、グラフで『下に凸が 軸の正の部分で2点交差』。①、②軸 、③ の3条件をすべて満たす。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「異なる2つの正の解」を、グラフの絵に翻訳する。下に凸の放物線が、 軸の正の部分で2回交わる絵だ。

絵を式の条件に分解すると3つになる。①そもそも2回交わる()。②山場が右半分にある(軸 )。③左端の高さが正()。

3条件は絵の各パーツに対応している。図とセットで覚えれば、丸暗記にならない。

xyO軸 x = mf(0) > 0
異なる2つの正の解: D > 0、軸 > 0、f(0) > 0(図は m = 3 の例)
公式異なる2つの正の解 ②軸

のグラフ(下に凸の放物線)が、 軸の正の部分で異なる2点で交わればよい。それには3つが同時に要る。

① 異なる2解 → : グラフが 軸と2点で交わる、ということ。 偶数なので

より または

② 2解とも正 → 軸が正: 2つの交点の"まん中"が軸。交点が両方とも正なら、そのまん中も正。平方完成すると

軸は 。これが正、つまり

: ここが一番忘れやすい。①②だけでは、まだ「2解がともに より右」とは言い切れない(片方が の左に食い込むこともある)。そこで での高さ が正であることを要求する。下に凸の放物線が 軸より上にあるなら、 は2つの交点より左側にある。つまり 2つの解はどちらも より右=正になる。これで初めて「2解とも正」が保証される。

まとめ:3つ( または )かつ()かつ()の共通範囲は 。「異なる2つの正の解」は (2点で交わる)・軸 (まん中が正)・( が2解の左)の3つで、 軸との交わり方をグラフで思い浮かべると3条件の意味がつながる。

発展 — 一歩先へ。 「2つの負の解」なら軸 、「異符号の解」なら次の問題のように の1本だけ。配置のパターンごとに条件セットが変わる。丸暗記でなく、毎回絵から条件を組み立てる練習をしておくと、初見の配置にも対応できる。

別解の和と積の言葉は、数学IIの解と係数の関係で正式に手に入る。グラフの言葉との対応表を自分で作っておくと、両者が同じことを言っていると分かる。

別解

2つの解を として、「和と積」で条件を書く方法もある(数学IIで学ぶ解と係数の関係の先取りだ)。

を因数分解した形 を展開して見比べると、 と読み取れる。

2つの解がともに正である条件は、「和が正、かつ積が正」と言い換えられる(和と積が両方正になるのは、両方正のときだけだ)。

  • 異なる2実解: または
  • 和が正:
  • 積が正:

3つの共通部分は 。グラフの3条件(軸・端点)と、代数の3条件(和・積)が同じ答えに着く。2つの言語を行き来できると、検算にもなる。

ポイント

  • 異なる2正解 → ① ②軸
  • グラフで『下に凸が正の部分で2点交差』とイメージ
  • 3条件すべての共通範囲をとる

よくある間違い

  • 3条件(・軸・)のどれかを忘れる
  • だけで判断してしまう
  • 3条件の連立で、共通部分でなく和集合をとってしまう