数学I / 2次方程式・2次不等式
解の配置(異なる2つの正の解)
問題
の2次方程式 が異なる2つの正の解をもつような定数 の値の範囲を求めよ。
ヒントを見る
解かずにグラフで。『異なる2つの正の解』→ ①、②軸(頂点の )が正、③。この3つを同時に満たす を。
解答・解説
方針
『異なる2つの正の解』は、グラフで『下に凸が 軸の正の部分で2点交差』。①、②軸 、③ の3条件をすべて満たす。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「異なる2つの正の解」を、グラフの絵に翻訳する。下に凸の放物線が、 軸の正の部分で2回交わる絵だ。
絵を式の条件に分解すると3つになる。①そもそも2回交わる()。②山場が右半分にある(軸 )。③左端の高さが正()。
3条件は絵の各パーツに対応している。図とセットで覚えれば、丸暗記にならない。
のグラフ(下に凸の放物線)が、 軸の正の部分で異なる2点で交わればよい。それには3つが同時に要る。
① 異なる2解 → : グラフが 軸と2点で交わる、ということ。 偶数なので
より または 。
② 2解とも正 → 軸が正: 2つの交点の"まん中"が軸。交点が両方とも正なら、そのまん中も正。平方完成すると
軸は 。これが正、つまり 。
③ : ここが一番忘れやすい。①②だけでは、まだ「2解がともに より右」とは言い切れない(片方が の左に食い込むこともある)。そこで での高さ が正であることを要求する。下に凸の放物線が で 軸より上にあるなら、 は2つの交点より左側にある。つまり 2つの解はどちらも より右=正になる。これで初めて「2解とも正」が保証される。
まとめ:3つ( または )かつ()かつ()の共通範囲は 。「異なる2つの正の解」は (2点で交わる)・軸 (まん中が正)・( が2解の左)の3つで、 軸との交わり方をグラフで思い浮かべると3条件の意味がつながる。
発展 — 一歩先へ。 「2つの負の解」なら軸 と 、「異符号の解」なら次の問題のように の1本だけ。配置のパターンごとに条件セットが変わる。丸暗記でなく、毎回絵から条件を組み立てる練習をしておくと、初見の配置にも対応できる。
別解の和と積の言葉は、数学IIの解と係数の関係で正式に手に入る。グラフの言葉との対応表を自分で作っておくと、両者が同じことを言っていると分かる。
別解
2つの解を 、 として、「和と積」で条件を書く方法もある(数学IIで学ぶ解と係数の関係の先取りだ)。
を因数分解した形 を展開して見比べると、、 と読み取れる。
2つの解がともに正である条件は、「和が正、かつ積が正」と言い換えられる(和と積が両方正になるのは、両方正のときだけだ)。
- 異なる2実解: → → または
- 和が正: →
- 積が正: →
3つの共通部分は 。グラフの3条件(軸・端点)と、代数の3条件(和・積)が同じ答えに着く。2つの言語を行き来できると、検算にもなる。
ポイント
- 異なる2正解 → ① ②軸 ③
- グラフで『下に凸が正の部分で2点交差』とイメージ
- 3条件すべての共通範囲をとる
よくある間違い
- 3条件(・軸・)のどれかを忘れる
- だけで判断してしまう
- 3条件の連立で、共通部分でなく和集合をとってしまう