数学I / 2次方程式・2次不等式

判別式と実数解の個数

★★ 標準判別式

問題

を定数とする。 の2次方程式 について、次の問いに答えよ。

(1) 異なる2つの実数解をもつような の値の範囲を求めよ。

(2) 重解をもつような の値と、そのときの重解を求めよ。

ヒントを見る

をまず展開・整理(できれば因数分解)。『異なる2解 → 』『重解 → 』と対応させて を求める。重解のときは解も。

解答・解説

方針

『異なる2つの実数解』は 、『重解』は の式にして、条件を について解く。

の式が の2次式になったら、因数分解して不等式を解く(それ自体が2次不等式)。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 解の個数の条件は、判別式に翻訳する。「異なる2つの実数解」は 、「重解」は だ。

翻訳を決めたら、あとは の式で書く作業になる。

ここで覚悟しておくことが1つ。 自身が の2次式になるので、「判別式の不等式が、また2次不等式になる」という入れ子構造が現れる。あらかじめ知っていれば、途中で迷子にならない。

公式判別式 。異なる2解 、重解

判別式を計算・整理する。 なので

(1) 異なる2つの実数解 →

は外側なので

(2) 重解 →

から または 。(それぞれ重解の値も から求まる。)

xyOD<0D>0
判別式 D の符号で x軸との交点数が決まる。D>0:2個(実数解2)、D=0:1個(重解)、D<0:0個

まとめ:判別式 の式にすると、それ自体が の2次式。因数分解して2次不等式・2次方程式として解く、という2段構えになる。

発展 — 一歩先へ。 判別式の符号は、放物線と 軸の位置関係(2点で交わる・接する・離れる)の代数版だ。次の問題で、この図形との対応を正面から使う。

「条件を課したら、判別式自身が新しい2次不等式になる」という入れ子は、文字定数入りの問題の典型的な構造である。外側の問題と内側の問題を混同しないよう、いま何の変数について解いているかを常に意識したい。

(1) (2) のとき重解 のとき重解

別解

(2)の重解の値は、解の公式に戻らなくても出せる。重解は「軸の位置」そのものだからだ。

のとき、解の公式の の部分が消える。残るのは 、つまり放物線の軸だ。

のとき:

のとき:

「接する=頂点が 軸に乗る=重解は軸の位置」。グラフの絵と結びつけておくと、重解の値は代入し直すより速く、確実に出せる。

ポイント

  • 異なる2実数解 → 、重解 →
  • の式にして、因数分解して解く
  • の式が2次式なら、2次不等式として処理

よくある間違い

  • の展開・符号ミス
  • (外側)と (内側)を取り違える
  • (2)で を求めて満足し、重解の値まで答え忘れる