数学I / 2次方程式・2次不等式
2次不等式の文章題(値上げと売上)
問題
ある商品は1個 円で販売すると1日に 個売れる。この商品を1円値上げするごとに、1日の販売個数は 個ずつ減るという。1日の売上金額(価格 × 販売個数)を 円以上にしたい。値上げ額をいくらからいくらまでの範囲にすればよいか。
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値上げ額を 円とおくと、価格は 、個数は 。売上=価格×個数 を の式にして の2次不等式へ。増える量と減る量を取り違えないこと。
解答・解説
方針
値上げ額を 円とする。1円値上げごとに価格 、販売個数 。だから価格は 円、個数は 個。
売上 = 価格 × 個数 = 。これが30800以上、という条件を2次不等式にして解く。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 値上げ額を 円とおく。すると価格も個数も、両方 の式で書ける。
売上は価格と個数の積だから、 の 次式になる。
価格が増えるほど個数は減る。この綱引きが 次関数になる、というのが売上の文章題の典型だ。
不等式を解いたあとは、 が現実に許される範囲(個数が正など)からはみ出していないかも確かめたい。
① 価格と個数を で表す。 値上げ額を 円とする。1円値上げごとに価格が1円上がり、個数が2個減るので、価格は 円、販売個数は 個。売上が30800円以上の条件は
② 売上の不等式を立て、展開・整理する。 左辺を展開する。
だから
右辺を移項して
③ 2次不等式にして解く。 両辺を で割って(向きが逆になる)整理する。
因数分解して
よって、値上げ額を10円以上40円以下にすればよい。
まとめ:売上の文章題は『価格 × 個数』を の式にするのが第一歩。値上げで価格は増え、個数は減る、という関係を正しく式にする。
発展 — 一歩先へ。 この問題は、価格を上げると売れる個数が一定の割合で減る、という単純なモデルだ。値上げ に対して個数が直線的に減るとき、売上はいつも上に凸の 次関数になる。
だから売上が最大になる値上げ額は、その放物線の頂点、つまり許される範囲のちょうど真ん中あたりに来る。単価を上げて得する分と、個数が減って損する分が、ちょうど釣り合う点だ。
これは経済で言う「収入が最大になるのは、もう 円上げたときの増収がゼロになるところ」という考え方に対応する。需要が価格でどれだけ動くか(価格弾力性)を通して、値づけの理論へつながっていく。
値上げ額を 円以上 円以下にすればよい
別解
別解 — 平方完成で売上の最大を見つけ、対称に範囲を読む(視覚で捉えるルート)。 展開して並べるかわりに、売上そのものの頂点を先に出す。
売上を とすると 。平方完成すると
のとき売上は最大の 円。グラフは を軸とする上に凸の放物線だ。
は 、すなわち 。よって 、つまり 。
頂点 から左右に ずつ、という対称な窓として が読める。因数分解して解く本解と同じ範囲に、放物線の対称性から着く。
ポイント
- 値上げ 円 → 価格 、個数
- 売上 = 価格 × 個数 を の式にする
- を2次不等式にして、 で割るとき向きを直す
よくある間違い
- 価格は 、個数は という増減を取り違え、 や と立ててしまう。
- を負の数 で割るとき、不等号の向きを変え忘れて範囲を上下逆にする。
- と出しても、個数 が正か(現実にありうる値上げか)を確かめずに答える。