数学I / 2次方程式・2次不等式

2次不等式の文章題(値上げと売上)

★★★ 応用2次不等式文章題

問題

ある商品は1個 円で販売すると1日に 個売れる。この商品を1円値上げするごとに、1日の販売個数は 個ずつ減るという。1日の売上金額(価格 × 販売個数)を 円以上にしたい。値上げ額をいくらからいくらまでの範囲にすればよいか。

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値上げ額を 円とおくと、価格は 、個数は 。売上=価格×個数 を の式にして の2次不等式へ。増える量と減る量を取り違えないこと。

解答・解説

方針

値上げ額を 円とする。1円値上げごとに価格 、販売個数 。だから価格は 円、個数は 個。

売上 = 価格 × 個数 = 。これが30800以上、という条件を2次不等式にして解く。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 値上げ額を 円とおく。すると価格も個数も、両方 の式で書ける。

売上は価格と個数の積だから、 次式になる。

価格が増えるほど個数は減る。この綱引きが 次関数になる、というのが売上の文章題の典型だ。

不等式を解いたあとは、 が現実に許される範囲(個数が正など)からはみ出していないかも確かめたい。

xyO1040
x² − 50x + 400 ≤ 0 となるのは 10 ≤ x ≤ 40

① 価格と個数を で表す。 値上げ額を 円とする。1円値上げごとに価格が1円上がり、個数が2個減るので、価格は 円、販売個数は 個。売上が30800円以上の条件は

② 売上の不等式を立て、展開・整理する。 左辺を展開する。

だから

右辺を移項して

③ 2次不等式にして解く。 両辺を で割って(向きが逆になる)整理する。

因数分解して

よって、値上げ額を10円以上40円以下にすればよい。

まとめ:売上の文章題は『価格 × 個数』を の式にするのが第一歩。値上げで価格は増え、個数は減る、という関係を正しく式にする。

発展 — 一歩先へ。 この問題は、価格を上げると売れる個数が一定の割合で減る、という単純なモデルだ。値上げ に対して個数が直線的に減るとき、売上はいつも上に凸の 次関数になる。

だから売上が最大になる値上げ額は、その放物線の頂点、つまり許される範囲のちょうど真ん中あたりに来る。単価を上げて得する分と、個数が減って損する分が、ちょうど釣り合う点だ。

これは経済で言う「収入が最大になるのは、もう 円上げたときの増収がゼロになるところ」という考え方に対応する。需要が価格でどれだけ動くか(価格弾力性)を通して、値づけの理論へつながっていく。

値上げ額を 円以上 円以下にすればよい

別解

別解 — 平方完成で売上の最大を見つけ、対称に範囲を読む(視覚で捉えるルート)。 展開して並べるかわりに、売上そのものの頂点を先に出す。

売上を とすると 。平方完成すると

のとき売上は最大の 円。グラフは を軸とする上に凸の放物線だ。

、すなわち 。よって 、つまり

頂点 から左右に ずつ、という対称な窓として が読める。因数分解して解く本解と同じ範囲に、放物線の対称性から着く。

ポイント

  • 値上げ 円 → 価格 、個数
  • 売上 = 価格 × 個数 を の式にする
  • を2次不等式にして、 で割るとき向きを直す

よくある間違い

  • 価格は 、個数は という増減を取り違え、 と立ててしまう。
  • を負の数 で割るとき、不等号の向きを変え忘れて範囲を上下逆にする。
  • と出しても、個数 が正か(現実にありうる値上げか)を確かめずに答える。