数学I / 2次方程式・2次不等式

絶対値を含む方程式の実数解の個数

★★★ 応用絶対値2次方程式解の個数

問題

を定数とする。方程式

の異なる実数解の個数を、 の値によって場合分けして答えよ。

ヒントを見る

の解の個数は、 のグラフと横線 の交点数で数えるのが確実。放物線の負の部分を上に折り返したグラフをかき、 を上下に動かす — 折り返しの山の高さが境目。

解答・解説

方針

の解の個数は、 のグラフと、横線 の交点の個数、と見るのがいちばんわかりやすい。

の負の部分を折り返した『絶対値のグラフ』をかき、 を上下に動かして交点数を数える。折り返しの山の高さがカギ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 文字定数 を含む方程式の「解の個数」を問われている。

方程式のまま押すのは大変だ。そこで のグラフと、水平線 の交点の個数で数える、とグラフの問題に翻訳する。ここが発想の転換点だ。

絶対値のグラフは、もとの放物線の負の部分を上へ折り返すだけでできる。

あとは水平線 を下から上へ動かす。交点の個数が変わる高さ、とくに折り返しの山の頂上に注目して読み取る。

xyOk = 4(3個)k = 2(4個)山の頂上 (1, 4)−13
y = |x² − 2x − 3| と水平線 y = k の交点の個数(山の高さは 4)
重要 の実数解の個数 のグラフと横線 の交点の個数

の解の個数は、 のグラフと横線 の交点の個数で数える。

軸を横切り、その間で負。絶対値をつけると、負の部分が上に折り返される。折り返してできる山の高さは、もとの頂点 を折り返した で、高さ4。

横線 を下から上に動かして交点数を数える。

  • : 横線が下すぎて交わらない。0個
  • : 軸(折り返しの底2か所)で接する。2個
  • : 山の左右と、外側の2か所で交わる。4個
  • : 山の頂上 で1点、外側で2点。3個
  • : 山を越えて、外側の2か所だけ。2個

式でも確かめられる。 は絶対値を外すと

の2つ。(A)を整理した の判別式は

(B)を整理した の判別式は

(A)は の符号、(B)は の符号で解の個数が決まる。ただし では(A)と(B)が同じ式になり、 では(B)が重解になるなど、重なりの調整が要る。だから、グラフで数えるほうが間違えにくい。

まとめ:絶対値の方程式の解の個数は、『グラフと横線 の交点』で数えるのが確実。折り返しの山の高さ(ここでは4)を境に、個数が変わる。

発展 — 一歩先へ。 のグラフに水平線 を当てて交点を数える見方は、そのまま一般の に使える。

個数が切り替わる は、グラフの特別な高さで起きる。まず になる高さ(、折り返しの谷)。つぎに折り返してできた山の頂上の高さ(、もとの頂点 を折り返した値)。

一般に の解の個数が変わるのは、 の値が になる高さと、 の極値の高さの絶対値。これらの臨界の高さが、 の数直線を「個数が一定の区間」に区切る。パラメータ ごとに交点数を追うのは、グラフを高さで輪切りにして数える見方だ。

: 個、: 個、: 個、: 個、:

別解

別解 — と置いて、 以上の を数える(得意な人向けの代数的視点)。 グラフを描くかわりに、 つの正の量にまとめてしまう。

だから、 と置くと で、方程式は になる。

なら は存在せず、 個。 なら で、 個。 なら から

ここで大事なのは、 なら 個、 なら 個、 なら は無い、という対応だ。

でつねに正だから、いつも 個生む。もう一方の は、 なら正で 個、 なら になって 個、 なら負で 個。

足し合わせると、 個、 個、 個。グラフの折り返しを見る本解と同じ答えが、 の個数勘定から出る。とくに ただ つを生むことが、山の頂上でちょうど 個になる正体だ。

ポイント

  • の解 = のグラフと の交点
  • 負の部分を上に折り返してグラフをかく
  • 折り返しの山の高さ(4)を境に、交点数が変わる

よくある間違い

  • 絶対値を外さずに解こうとして、 の側から来る解を丸ごと落とす。
  • が同じ式になるのに、別々に数えて 個を 個にする。
  • 折り返しの山の高さ を境目と気づかず、 の重解(接点)を 個と数えて 個にし損なう。