数学I / 実数と1次不等式

対数を使わずに桁数を求める

最難関編累乗の評価桁数

問題

は31桁の自然数であることを、対数を用いずに示せ。

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桁数の条件を10のべきではさむ形に書く。 にとても近い — 下からは一撃。上からは、はみ出しぶん がどれほど小さいか、2乗の繰り返しで見積もれないか。

解答・解説

方針

31桁 ⟺ 10³⁰ ≤ 2¹⁰⁰ < 10³¹。下からは 2¹⁰=1024>10³ を10乗するだけ。上からは 1024=1.024×10³ と分けて (1.024)¹⁰ を評価する。1.024<1.1 とゆるめてから2乗を繰り返せば、手計算で 3 未満に押さえられる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「31桁」とは、不等式 のことだ。まず問いを不等式に翻訳する。

鍵は、 のすぐ上にあること。下からの評価は、 を10乗するだけで出る。

上からはどうするか。 と分解し、はみ出し係数 未満だと示せばよい。 と大きめにゆるめてから、2乗を繰り返す。電卓なしの手計算で押さえられる。

重要桁数 ⟺ 。累乗の評価は「近い10のべき × はみ出し係数」に分解し、係数は2乗の繰り返しで見積もる

① 下からの評価。 の両辺を10乗して

② 上からの評価。 だから

を2乗の繰り返しで見積もる:

よって 。したがって

③ 結論。 。よって は31桁の自然数である。(実際 。たしかに31桁で、評価の の間に収まっている。)

まとめ: 常用対数なら1行の問題を、不等式の設計だけで仕留めた。「近い10のべきで下から」「はみ出し係数を2乗の繰り返しで上から」の2部構成だ。 という有名な近さ(計算機の「キロ」)が、評価の足場になっている。

証明( で下から、 で上から)

別解

精度を上げると、先頭の数字まで見える(得意な人向け)。 は近似ではなく、正確な等式だ。つまりこの問題は、「誤差の玉 以上 未満に収まるか」の一点に圧縮されている。

そこで にゆるめず、 のまま2乗を繰り返して、両側から精密にはさんでみる。出発点は :

  • 下から: 。よって で、
  • 上から: 。よって

まとめると

31桁であるだけでなく、最高位の数字が だとまで分かった(真の値は )。同じ道具(2乗の繰り返し)でも、ゆるめ方の設計しだいで結論の解像度が変わる。それが「評価」という技術の面白さだ。

ポイント

  • の10乗で下界。
  • で上界。
  • — 31桁。

よくある間違い

  • 桁数の定義を と書いて1つずれる。 桁 ⟺ 。「 は1桁」と具体例で確かめる。
  • を「だいたい2.6くらい」と暗算で断言する。証明では、2乗の繰り返しを不等式の鎖として1段ずつ書く。
  • 不等号を10乗しても向きが保たれる理由(両辺が正)を書かずに進める。