数学I / 実数と1次不等式
√n の小数部分と 1/2
問題
を正の整数とし、 を満たす整数 ( 個ある)を考える。
(1) の小数部分がちょうど になることはないことを示せ。
(2) 個の のうち、 の小数部分が より小さいものはちょうど 個であることを示せ。
ヒントを見る
小数部分が 未満、という条件を根号のない形に直したい — 両辺とも正なら2乗できる。出てきた境界 と整数 の関係をよく見ると、(1)も(2)も同じ1行から出てくる。
解答・解説
方針
小数部分の不等式は「2乗して整数の不等式に翻訳する」: √n−k<1/2 ⟺ n<(k+1/2)²=k²+k+1/4 ⟺ n≤k²+k(n は整数!)。この「整数だから 1/4 を切り捨てられる」一手が両方の小問を貫く。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の小数部分は だ。「 との大小」を、根号のない世界に翻訳したい。両辺が正だから2乗できる:
ここが急所だ。 は整数だから、端数 は切り捨てられる。条件は と同値になる。
しかも境界 が整数でないこと、それ自体が(1)の答えでもある。1本の不等式の翻訳が、2つの小問を同時に片づける。
① (1) を示す。 小数部分がちょうど なら 。両辺を2乗して
右辺は整数でない。整数 がこれに等しくなることはない。
② 条件を整数の形に翻訳する。 の について
最後の同値は、 が整数であることによる。
③ (2) 数える。 範囲は 。このうち②を満たすのは の、ちょうど 個だ。
残りの の 個は、小数部分が より大きい。(1)より「ちょうど 」はないから、 個は2つのグループに完全に分かれる。
まとめ: 「根号の大小は2乗で整数の世界へ」+「整数だから端数を切り捨てる」の2手。境界 が整数の隙間に落ちるおかげで、 個が 個ずつぴったり半分に割れる。平方数の間で の小数部分が「前半に 個・後半に 個」と律儀に並ぶ風景まで見えれば完答だ。
(1) が整数にならない(証明) (2) の 個(証明)
別解
グラフで見る(直感ルート)。 のグラフに、高さ の水平線を引いてみる。
の小数部分が より小さいとは、点 がこの水平線より下にあることだ。 は増加だから、「 と の大小」は「 と の大小」とまったく同じ。増加関数を通しても、大小関係は変わらない。
あとは、水平線との交点 より左にある整数を数えるだけ。 から までの 個だ。交点の 座標が整数でない(どの も線上に乗らない)ことが、(1)に当たる。
不等式の変形が苦手でも、この1枚の絵なら「なぜ半々に割れるか」が目で分かる。
ポイント
- ちょうど なら — 整数でない。
- (整数の切り捨て)。
- 前半 個が 未満、後半 個が 超。
よくある間違い
- を2乗するとき、両辺が正であることの確認を飛ばす。 から を一言添える。
- のまま数えて、境界の扱いに迷う。 は整数だから に直してから数えるのが先。
- (2)で「残り半分は より大きい」と言うときに(1)を使い忘れる。「ちょうど 」が存在しないからこそ、2つのグループへの分割が完全になる。