数学I / 実数と1次不等式

絶対値を含む方程式・不等式(場合分け)

★★ 標準絶対値場合分け

問題

次の方程式・不等式を解け。

(1)

(2)

ヒントを見る

右辺に があると、単純に では外せない。中身が正か負かで場合を分けて を外し、各場合で『その場合の条件( など)に合う解だけ』を残す。

解答・解説

方針

右辺に が入っている絶対値の方程式・不等式は、 の公式が使えない( が定数でないから)。そこで、中身の符号で場合分けして絶対値を外す。

なら、 のとき のとき 。それぞれの場合で解き、最後に『その場合の条件』と合うものだけを残す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 右辺に が入っている。ここが前問までとの違いだ。

型の公式は、 が定数だから使えた。右辺が の式だと、負になる可能性があって丸写しできない。

そこで、中身の符号で場合分けして絶対値を外す方針に切り替える。各場合で解いたら、その解が「場合の前提」に合っているかを必ず照合する。この確認までが1セットだ。

重要右辺に文字がある絶対値方程式は、中身の符号で場合分けして絶対値を外す

右辺に があるので、中身の符号で場合分けする。

(1)

のとき: より 。でもこれは を満たさないので不適。

のとき: より 。これは を満たすので適する。

よって 。(念のため確認: で両辺が等しい。)

(2)

のとき: より と合わせて

のとき: より と合わせて

2つの場合()を合わせると

まとめ:場合分けのコツは、各場合で出た解が『その場合の条件』に合うかを必ず確かめること。合わない解は捨てる。

発展 — 一歩先へ。 「場合ごとに解いて、前提と照合する」作法は、この先の絶対値を含む2次関数や、数学IIIの微分でも同じ形で登場する。場合分けの本体は、解くことよりも照合にある。

もう1つ、グラフの目も強力だ。(1)は の折れ線と直線 の交点の問題と見ることができる。図を描くと、交点が1つしかない理由まで目で分かる。

(1) (2)

別解

(1)は 型の言い換え「 かつ( または )」でも解ける。

すなわち のもとで、2本の方程式を解く。

からは 。これは を満たさず不適。

からは 。これは を満たし適する。

よって と同じ結果になる。「右辺は 以上でなければならない」という条件を忘れないことが、この方法の注意点である。中身の符号で分けるか、右辺の符号で縛るか。分け方の軸が違うだけで、どちらも「絶対値の等式が成り立つ条件」を漏れなく数えている。

ポイント

  • 右辺に がある絶対値は、中身の符号で場合分けする
  • 各場合で解いた後、その場合の条件に合う解だけ残す
  • 不等式は、各場合の解を最後に合わせる(つなぐ)

よくある間違い

  • 場合分けの条件に合わない解を、そのまま答えに残してしまう
  • 最後に2つの場合の解を合わせ忘れる
  • 出た答えを元の式に代入して確かめる検算を飛ばす(絶対値の問題は代入確認が特に効く)