数学I / 実数と1次不等式

相加相乗を3項に分けて使う最小値

実戦編実数と1次不等式不等式相加相乗平均最大・最小単元横断

問題

のとき の最小値を求めよ。

ヒントを見る

項の相加相乗を使うと積に が残る。 と割って にすると積が によらず一定に。

解答・解説

方針

項のまま相加相乗を使うと積に が残る。 つに割って 項にし、積が定数()になるように分ける。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 そのまま2項で相加相乗を使うと — 右辺に が残って最小値にならない。

相加相乗で最小値を出すには、積が定数になる割り方が要る。 と2つに割ると、3項の積は — 定数だ。

3項の相加相乗で 。等号は3項が等しいとき()で、実現も確認できる。

公式 項の相加相乗 (、等号は )

項に分ける。 ② 相加相乗。 項の積は 。よって ③ 等号と最小。 等号は 、すなわち 。よって最小値は ( のとき)。

xyO最小3
y=x+4/x²(x>0)。最小値3(x=2)

まとめ 相加相乗は積が定数になるように分ける。 と割って 項にすると積 、最小値 ()。不等式と最大最小の融合。

発展 — 一歩先へ。 一般に …と、べきの比率に合わせて項を割るのが相加相乗の設計術だ( なら で割ると積から が消える — 本問の はまさにそれ)。微分を学べば からも が出るが、「積が定数になる割り方の設計」は微分なしで最小値を言い切れる、数Iの武器のまま最後まで役に立つ。

つに割り、 項の相加相乗を使うと 。等号 で最小

別解

因数分解で直接示す(等号の点から逆算した完全証明)。 最小値が (等号 )と見当がついたら、差の因数分解で言い切れる。

分子は (等号の点!)だから で割れて、実は2重に割れる:

よって では

等号は のみ。「最小値の候補で差を作ると、等号の点が2重根になって現れる」— 接するときの重解と同じ構造で、相加相乗の割り方(本解)がなぜ だったのか( 項が等しくなる点が )の裏付けにもなっている。

ポイント

  • 相加相乗は積が定数になるように項を分ける。
  • 項、積
  • 最小値 、等号

よくある間違い

  • 2項のまま相加相乗を使って 型の「 が残る下界」を最小値と誤認する(下界は正しいが、等号が成り立つ が存在しない)。
  • 3項に割った後、等号成立()の確認を落とす。
  • 割り方を など積が定数にならない形にして、相加相乗の右辺に が残る(「積=定数」から逆算して割る)。