数学I / 実数と1次不等式

分母の有理化

★ 基礎有理化平方根

問題

次の式の分母を有理化せよ。

(1)

(2)

(3)

(4)

ヒントを見る

分母の を消すのが目的。(1)(2)は上下に分母の をかける。(3)(4)は分母が2項 — 符号を変えたものを上下にかけると、和と差の積で が消える。

解答・解説

方針

分母に があると扱いにくいので、分母から根号を消す。これが有理化だ。

分母が 1つなら、上下に をかける。分母が のような和・差なら、符号を変えたもの()を上下にかけると、和と差のかけ算で根号が消える。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 分母に根号があると扱いにくい。分母から根号を追い出すのが有理化だ。

道具は「上下に同じものをかけても分数の値は変わらない」という当たり前の性質。何をかけるかで 通り。

  • 分母が つ → をかける( で消える)
  • 分母が の形 → 符号を変えた (共役)をかける — 和と差の積で 乗になり、根号が消える
公式分母の有理化:分母が なら上下に をかける( でルートが消える)

(1) 分母が なので、上下に をかける。

(2) 上下に をかける。

(3) 分母が 。符号を変えた を上下にかけると、分母が和と差のかけ算になって根号が消える。

(4) 分母が 。符号を変えた を上下にかける。

まとめ:分母が になって、きれいに根号が消えた。『符号を変えたものをかける』が有理化の決め手。

発展 — 一歩先へ。 (4)の という結果は面白い — 逆数をとったのに、符号が反転しただけ。これは 、つまり 数が互いに逆数だから。 になるようなペアは特別で、この は「白銀比」の親戚として図形にも顔を出す。

「共役をかけて消す」という発想は、この先ずっと使う。数IIの複素数では の実数化(共役 をかける)、極限では の有理化 — 見えない部分を、相方をかけて消すという手筋が、数学のいろいろな場所で同じ顔で現れる。

(1) (2) (3) (4)

別解

なぜ符号を変えたものをかけるのか — 前問の(3)を思い出すと、種明かしになる。

— 和と差の積は 乗の差になり、根号が消えて整数になった

有理化は、この現象を分母に対して意図的に起こす操作だ。(3)の なら、分母の相棒 を上下にかけて

分母が になり、約分できれいに消えた。

有理化のご利益も知っておきたい。 のままでは、値がどのくらいか見当がつかない(分母が 前後の小さい数)。有理化した なら一目瞭然だ。割り算を掛け算に変えて、値を見えるようにする — それが有理化の目的である。

ポイント

  • 有理化 = 分母から根号を消すこと
  • 分母が 1つ → 上下に
  • 分母が和・差 → 符号を変えたものを上下にかける(和と差のかけ算で消える)

よくある間違い

  • (3)(4)で、分母の符号を変えずに同じものをかけてしまう
  • 上だけ・下だけにかけて、分数の値を変えてしまう
  • 分母が消えた後の約分()を忘れる