数学I / 実数と1次不等式
連立1次不等式と整数解の個数
問題
を定数とし、 についての連立不等式
を考える。
(1) のとき、この連立不等式を解け。
(2) この連立不等式を満たす整数 がちょうど 個であるような の値の範囲を求めよ。
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1つ目から の下限、2つ目から を含む上限が出る。(2)は『整数がちょうど3個』になるよう、上限を数直線で調整 — 端の整数を含む・含まない境目( と )を慎重に。
解答・解説
方針
1つ目の不等式は に関係なく解けて、 とわかる。2つ目は を含み、 となる。
だから解は 。(2)は、この範囲に整数がちょうど3個入るように、右端 の位置を調整する。 なので整数は3,4,5,…。ちょうど3個(3,4,5)になる条件を、数直線で考える。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 文字 を含む連立不等式だ。
まず に無関係な 本を片づけて、土台を固定する。
そのうえで、もう 本の動く端との位置関係だけを議論する形に整える。
「動くものと動かないものを分ける」が発想の軸だ。
(1) のとき。1つ目 を解くと 、、。2つ目 を解くと 、。共通部分は
(2) 一般の で考える。1つ目は に関係なく 。2つ目 は 、。だから解は
この範囲に入る整数は、 より 3, 4, 5, … 。ちょうど3個(3, 4, 5)入るには、右端 が5以上6未満であればよい(5は含み、6は含まない)。
各辺を3倍して 、6を引いて
まとめ:整数の個数を条件にする問題は、数直線で『どこまで整数を含めるか』を、右端の位置で調整するのがコツだ。
発展 — 一歩先へ。 「ちょうど 個」という条件は、 つの単調な条件の重なりに割って捉えられる。 を大きくすると上端 は右へ動き、範囲に入る整数は減ることなく増えていく。個数が について単調に増えるので、条件がきれいに分かれる。
「 個以上」は上端が整数 まで届けばよく、これは 。「 個以下」は上端が整数 には届かなければよく、これは 。単調性のおかげで、この つはそれぞれ片側だけの範囲(半直線)になる。
「ちょうど 個」は、この「以上」と「以下」の重なり、すなわち 。ちょうどを『以上かつ以下』の 枚に分けるこの見方は、パラメータが増えると解が単調に増える問題すべてに通用する一般の道具だ。
(1) (2)
別解
別解 — 個数を整数部分(床関数)の式で数える(得意な人向けの高い視点)。 解は 、ただし 。この範囲に入る整数は で、 は の整数部分を表す。
だから個数は 個と、 つの式で書ける。これがちょうど になる条件は
は と同じことだから
各辺を 倍して を引くと 。
個数を「」と書き切ってしまえば、整数を目で追わずに機械的に の範囲が出る。本解と同じ に至る。
ポイント
- を含まない不等式を先に解く()
- を含む不等式は 。解は
- 整数3個(3,4,5)は
よくある間違い
- 右端の等号( を含み を含まない)を取り違え、 のように端をずらす。
- 下端 が等号なし( を含まない)なのを忘れ、整数を の 個と数えてしまう。
- つ目の不等式 を解くとき、 で両辺を負で割る際に不等号の向きを反転し忘れる。