数学I / 実数と1次不等式
循環小数の分数化と有理数の判定
問題
次の問いに答えよ。
(1) 循環小数 を分数で表せ。
(2) 循環小数どうしの積 を分数で表せ。
(3) が有理数であることを示し、その値を分数で表せ。
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(1)は循環が途中から始まる → 倍と 倍の差で循環を消す。(2)はそれぞれ分数に直してからかける。(3)は中身を分数(=有理数の2乗)にできれば がきれいに外れる。
解答・解説
方針
循環小数を分数にする技を、いろいろな形で使う。基本は『くり返しがそろうように10倍・100倍してずらし、引いて消す』。
(1)は循環しない部分と循環部分が混じるので、ずらす倍率を工夫する。(2)は2つの循環小数をそれぞれ分数にしてかける。(3)は循環小数を分数にして、 を計算すると整数比になり、有理数だとわかる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 循環小数を分数に直す道具を、形を変えて 回使う。
基本は「くり返しがそろうよう 倍・ 倍してずらし、引いて消す」。
(1)は循環する部分としない部分が混じる。どの つを引けばくり返しが消えるか、桁のそろい方から逆算する。
(2)(3)も同じ方針だ。循環小数はまず分数に直す、と決めて通す。
(1) とおく。循環しない部分(1)が1桁、循環部分(36)が2桁。循環部分がそろうように、 と を作る。
引くと循環部分が消える。
よって で
(2) それぞれを分数にする。 は、 より
同じように 。かけて
(3) を分数にする。 より
よって
まとめ: は分数なので、 は有理数だとわかる。循環小数はすべて分数にできる(=有理数)、というのが根っこにある考えだ。
発展 — 一歩先へ。 循環小数がすべて分数に直せたのは、「有理数 有限小数または循環小数」という事実の片側だ。
逆も成り立つ。既約分数 を割り算で小数にすると、途中に出る余りは から の 通りしかない。だから余りはいつか必ずくり返し、小数は循環する(または割り切れて有限小数になる)。
すると無理数の小数は、循環しない無限小数でしかありえない。 や がそれだ。小数が循環するかどうかが、有理数と無理数を分ける境目になっている。
(1) (2) (3) (有理数)
別解
別解 — 無限等比級数の和として求める(得意な人向けの高い視点)。 循環小数は「同じ並びを無限にたし続けた数」だから、無限等比級数の和とみられる。
(2)の は、 を小数第 位ごとに無限にたした数。初項 、公比 の等比級数だ。和の公式より
同じく 、積は 。
(3)の は 、根号を外して 。
(1)のように循環しない部分が頭につく場合は、その を分けておき、残りの循環部分だけを等比級数で足せばよい。 倍・ 倍してずらす本解は、この「等比級数の和」を筆算の形で実行しているのと同じだ。本解と同じ 、、 に至る。
ポイント
- 循環小数は、循環部分がそろう倍率でずらして引く
- 混じった循環小数は と のように倍率を工夫
- 循環小数はすべて分数にできる(有理数)
よくある間違い
- くり返しの周期を取り違え、ずらす倍率( 倍と 倍)を間違えて、引いても循環部分が消えない。
- (2)を小数のまま と筆算しようとして、循環がからまり収拾がつかなくなる。
- (3)で を分数に直さず、 の中が だと気づかないまま、有理数であることを示せない。