数学I / 実数と1次不等式

循環小数の分数化と有理数の判定

★★★ 応用循環小数有理数・無理数

問題

次の問いに答えよ。

(1) 循環小数 を分数で表せ。

(2) 循環小数どうしの積 を分数で表せ。

(3) が有理数であることを示し、その値を分数で表せ。

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(1)は循環が途中から始まる → 倍と 倍の差で循環を消す。(2)はそれぞれ分数に直してからかける。(3)は中身を分数(=有理数の2乗)にできれば がきれいに外れる。

解答・解説

方針

循環小数を分数にする技を、いろいろな形で使う。基本は『くり返しがそろうように10倍・100倍してずらし、引いて消す』。

(1)は循環しない部分と循環部分が混じるので、ずらす倍率を工夫する。(2)は2つの循環小数をそれぞれ分数にしてかける。(3)は循環小数を分数にして、 を計算すると整数比になり、有理数だとわかる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 循環小数を分数に直す道具を、形を変えて 回使う。

基本は「くり返しがそろうよう 倍・ 倍してずらし、引いて消す」。

(1)は循環する部分としない部分が混じる。どの つを引けばくり返しが消えるか、桁のそろい方から逆算する。

(2)(3)も同じ方針だ。循環小数はまず分数に直す、と決めて通す。

公式循環小数 → 分数:循環がそろうよう 倍と 倍の差をとる

(1) とおく。循環しない部分(1)が1桁、循環部分(36)が2桁。循環部分がそろうように、 を作る。

引くと循環部分が消える。

よって

(2) それぞれを分数にする。 は、 より

同じように 。かけて

(3) を分数にする。 より

よって

まとめ: は分数なので、 は有理数だとわかる。循環小数はすべて分数にできる(=有理数)、というのが根っこにある考えだ。

発展 — 一歩先へ。 循環小数がすべて分数に直せたのは、「有理数 有限小数または循環小数」という事実の片側だ。

逆も成り立つ。既約分数 を割り算で小数にすると、途中に出る余りは から 通りしかない。だから余りはいつか必ずくり返し、小数は循環する(または割り切れて有限小数になる)。

すると無理数の小数は、循環しない無限小数でしかありえない。 がそれだ。小数が循環するかどうかが、有理数と無理数を分ける境目になっている。

(1) (2) (3) (有理数)

別解

別解 — 無限等比級数の和として求める(得意な人向けの高い視点)。 循環小数は「同じ並びを無限にたし続けた数」だから、無限等比級数の和とみられる。

(2)の は、 を小数第 位ごとに無限にたした数。初項 、公比 の等比級数だ。和の公式より

同じく 、積は

(3)の 、根号を外して

(1)のように循環しない部分が頭につく場合は、その を分けておき、残りの循環部分だけを等比級数で足せばよい。 倍・ 倍してずらす本解は、この「等比級数の和」を筆算の形で実行しているのと同じだ。本解と同じ に至る。

ポイント

  • 循環小数は、循環部分がそろう倍率でずらして引く
  • 混じった循環小数は のように倍率を工夫
  • 循環小数はすべて分数にできる(有理数)

よくある間違い

  • くり返しの周期を取り違え、ずらす倍率( 倍と 倍)を間違えて、引いても循環部分が消えない。
  • (2)を小数のまま と筆算しようとして、循環がからまり収拾がつかなくなる。
  • (3)で を分数に直さず、 の中が だと気づかないまま、有理数であることを示せない。