数学I / データの分析
度数分布表の平均値と中央値の階級
問題
あるクラス40人のテストの得点(100点満点)を度数分布表に整理したところ、次のようになった。
- 点以上 点未満: 人
- 点以上 点未満: 人
- 点以上 点未満: 人
- 点以上 点未満: 人
- 点以上 点未満: 人
(1) 階級値を用いて平均値を求めよ。
(2) 中央値が含まれる階級を答えよ。
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(2)がヤマ。度数分布表では個々の値が不明だから、中央値の『値』は出せない。でも『何番目の人がどの階級か』なら追える。上から人数を積み上げて、まん中の順位がどの階級に落ちるかを探そう。
解答・解説
方針
(1)は基礎で学んだとおり、(階級値 × 度数)の総和を総度数 で割るだけだ。
(2)がこの問題のヤマだ。度数分布表では個々の得点がわからないので、中央値の値は求められない。でも『何番目の人がどの階級にいるか』なら追える。
人の中央値は 番目と 番目の平均。そこで累積度数(その階級までの人数の合計)を上から順に足していき、 番目・ 番目の人がどの階級で現れるかを突き止める。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 度数分布表では、個々の得点はもう分からない。だから「表から求められるもの」と「求められないもの」の区別が出発点になる。
平均値は、各階級の真ん中(階級値)で代表させて計算する近似値だ。
中央値は、値そのものは出せない。でも「何番目の人がどの階級にいるか」なら追える。累積度数を上から足していき、40人の真ん中(20番目と21番目)がどの階級に落ちるかを探す。
(1) 各階級の階級値は 点だ。(階級値 × 度数)の総和は
よって
(2) 人の中央値は、小さいほうから 番目と 番目の得点の平均だ。個々の得点は表からわからないが、順位がどの階級に落ちるかは数えられる。累積度数を順に計算すると
- 点未満: 人
- 点未満: 人
- 点未満: 人
番目までの人は 点未満、 番目から 番目までの人が 点以上 点未満の階級にいる。 番目も 番目もこの中に入る。
よって中央値が含まれる階級は 点以上 点未満の階級だ。
『中央値そのもの』ではなく『中央値が含まれる階級』を聞かれている理由がここにある。度数分布表からわかるのはそこまで、という情報の限界を意識できると、統計の問題文が正確に読めるようになる。
発展 — 一歩先へ。 度数分布表の平均が「近似値」なのは、各人の得点を階級の真ん中で代用しているからだ。元データから直接計算した平均とは、ふつう少しずれる。まとめ方(階級の幅)によって統計量が変わる、という感覚は資料を読むときの大切な警戒心になる。
別解の仮平均の考え方は、あとで学ぶ変量の変換( と引いてから計算する)の実用版そのものだ。
(1) 点 (2) 点以上 点未満の階級
別解
(1)の平均は、「仮の平均」を置いて、ずれだけを集計する方法もある。
真ん中の階級値 を仮の平均にすると、各階級値のずれは 。度数を掛けて合計すると
ずれの平均は 。よって平均値は 点。
大きい数の掛け算( など)が、小さいずれの計算に置き換わる。「平均=基準+ずれの平均」という見方は、電卓のない試験場で威力を発揮するし、次の変量の変換の考え方にもつながっている。
ポイント
- 度数分布表の平均値は階級値で代表させて計算する
- 中央値の位置(何番目か)を先に確定し、累積度数で階級を特定する
- 人なら中央値は 番目と 番目の平均 — 両方が入る階級を確認する
よくある間違い
- 累積度数の足し算を誤って1つ隣の階級を答える
- 中央値を「 番目の値」だけで考える(偶数個では 番目と 番目の平均)
- 度数分布表から中央値の「値」まで求めようとして手が止まる(表から分かるのは階級まで)