数学I / データの分析
2つのデータを訂正したときの平均と分散
問題
個のデータがあり、平均は 、分散は であった。あとで、データのうち 個の値 と が、正しくはそれぞれ と であったことがわかった。訂正後のデータの平均と分散を求めよ。
ヒントを見る
平均は合計で決まる。訂正で合計はどれだけ変わるか。分散は「 乗の平均 (平均)」だから、 乗の合計 の変化を追えばよい。
解答・解説
方針
平均は「合計 個数」。訂正で合計の変化は なので平均は不変。分散は「 乗の平均 平均」。 乗の合計 の変化を追う。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 平均と分散を、 個ずつ再計算するのは無駄。「合計」と「 乗の合計」の変化だけを追う。
平均は「合計 個数」。訂正による合計の変化は 。だから平均 は変わらない。
分散は「 乗の平均 平均」。平均が不変なので、 の変化だけ追えばよい。 乗の合計の変化 を反映させる。
① 平均の変化。 合計の変化は 。合計が変わらないので、平均は のまま。
② 乗の合計を出す。 元の分散 より
③ 乗の合計の変化。 を除いて を加える。
④ 訂正後の分散。 平均は のままだから
まとめ:データの訂正は「合計」と「 乗の合計」の増減だけ追えばよい。今回は合計が不変で平均は変わらず、 乗の合計が減ったので分散だけが と小さくなった(極端な値が中央寄りに直ったため)。分散は 経由で扱うのが定石。
発展 — 一歩先へ。 データを訂正・追加・削除したときの平均・分散の更新は、 と の つを保持すれば全データを見直さずに済む。この「 つの累積和で分散が計算できる」性質は、大量データをリアルタイムに集計する場面(オンライン統計、ストリーム処理)で重宝される。
平均 (変わらない)、分散
別解
別解 — 分散を「平均まわりの偏差の乗和」で直接追う(得意な人向けの視点)。 平均が で不変だから、各データの「平均 からの偏差」の乗和を追えば分散が出る。分散 。
元の分散 より 。訂正で変わるのは 個だけ。
- : 偏差の乗が から へ、。
- : から へ、。
偏差乗和の変化は 。新しい和は 、新しい分散は 。
を追う本解と同じ の変化に着くが、「平均が変わらない」ので偏差の乗を直接追える。訂正で (\pm512,18平均から )へ、平均に近づいたぶん散らばりが減る、という意味が見える。
ポイント
- 合計の変化 → 平均は で不変。
- を と更新し、分散 。
よくある間違い
- 平均が訂正で変わると思い込む(合計変化 なので不変)。
- 分散を 個ずつ再計算して手間取る( か偏差乗和の変化だけ追う)。
- 乗の合計の変化 の計算を誤る。