数学I / データの分析
尺度の異なる2つの成績を標準化して比較する
問題
ある生徒の国語の得点は 点、数学の得点は 点であった。国語は受験者全体の平均 点・標準偏差 点、数学は平均 点・標準偏差 点であった。この生徒は国語と数学のどちらが相対的に良い成績か、理由とともに答えよ。
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点数そのままでは平均も散らばりも違って比べられない。各科目で「平均から標準偏差何個分うわ回ったか」に直すと、共通のものさしで比較できる。
解答・解説
方針
得点の差(点数)だけでは平均や散らばりが違うので比べられない。各科目で「平均から標準偏差いくつ分離れているか」= に直して比べる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 得点の差(点数)だけでは比べられない。国語と数学では平均も散らばりも違うからだ。 点が 点より高い、では相対的な良さは測れない。
比べるには「平均から標準偏差いくつ分離れているか」にそろえる。これが標準化 。
国語は 、数学は 。同じ“ものさし”に乗せると、数学の方が平均から上に離れている(相対的に良い)。
① 国語を標準化する。 平均 、標準偏差 、得点 だから
② 数学を標準化する。 平均 、標準偏差 、得点 だから
③ 比べる。 。数学のほうが、平均から標準偏差の何個分も上にあるので、相対的に良い成績。
まとめ:得点そのものではなく「標準偏差を単位にした平均からの距離」で比べるのが公平。数学は素点の差が大きい()だけでなく、集団の中での位置(標準化した値)も上。素点だけで判断すると、散らばりの違いを見落とす。
発展 — 一歩先へ。 標準化 を に乗せ替えたのが偏差値。国語の偏差値は 、数学は 。標準化は「異なる分布のデータを共通のものさしで比べる」ための基本操作で、正規分布と組み合わせると「上位何%か」まで分かる(統計的推測の入り口)。
標準化すると国語 、数学 。数学のほうが相対的に良い
別解
別解 — 「平均からの隔たり」を標準偏差の目盛りで直感的に読む(苦手な人向け)。 標準化 は「平均から標準偏差何個分ずれているか」を数えたもの。定規の目盛りを、科目ごとの標準偏差に取り替えると考えるとよい。
国語: 平均 からこの生徒の までは 点上。国語の標準偏差はちょうど 点だから、「標準偏差 個分」上。。
数学: 平均 から までは 点上。数学の標準偏差は 点だから、 個分上。。
同じ「標準偏差何個分」という目盛りで比べると、数学( 個分)の方が国語( 個分)より高い位置。だから相対的に数学が良い。
の式(本解)と同じだが、「標準偏差を 目盛りにした定規で、平均から何目盛り上か」と読むと、なぜ点数の差でなく標準偏差で割るのかが腑に落ちる。偏差値()も、この を 中心・ 刻みに乗せ替えただけだ。
ポイント
- 点数の差は平均・散らばりが違うと比較できない。
- 標準化 で国語 、数学 → 数学が上。
よくある間違い
- 点数の差()だけで数学が良いと判断する(平均・散らばりが違うので直接比較できない)。
- 標準化で標準偏差でなく分散で割る(、 は標準偏差)。
- が大きいほど相対的に上位、という向きを取り違える。