数学I / データの分析
箱ひげ図をかくための五数要約
問題
12人の生徒の1週間の読書時間は次の通りであった。
箱ひげ図をかくために必要な、最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値の5つの値を求めよ。また、範囲と四分位範囲も求めよ。
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箱ひげ図に必要なのは5つの値(最小・・中央・・最大)。データが偶数個なら前半・後半がきっちり半分ずつに分かれる。両端の最小・最大を忘れずに、各組のまん中を取ろう。
解答・解説
方針
箱ひげ図をかくのに必要な材料は『最小値・・中央値・・最大値』の5つ。これを五数要約と呼ぶ。
今回はデータが 個(偶数個)なので、中央値は 番目と 番目の平均。偶数個の場合は下組・上組がちょうど 個ずつにきっちり分かれる(奇数個のときのように中央値を除く操作はいらない)。
あとは各組で中央値をとれば 、 が出る。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 五数要約(最小値・・中央値・・最大値)は、箱ひげ図をかくための つの目印だ。
手順は前問と同じ。並べる → まん中で つに割る → それぞれのまん中をとる。
今回はデータが 個(偶数)。偶数個のときは、まん中の 個( 番目と 番目)の平均が中央値になる。そして除く値がないので、下組・上組はきれいに 個ずつに分かれる。
奇数個(まん中を除く)と偶数個(除かない)の違いだけ押さえれば、あとは数えるだけである。
データは小さい順に並んでいる( 個)。
最小値・最大値。 最小値 、最大値 だ。忘れがちだが、五数要約の両端はこの2つ。真っ先にメモしておく。
中央値。 個のまん中は 番目と 番目の平均だ。 番目は 、 番目は なので
第1四分位数。 下組は前半の 個 だ。その中央値は 番目と 番目の平均で
第3四分位数。 上組は後半の 個 だ。その中央値は
範囲と四分位範囲。
箱ひげ図に翻訳すると、箱の左端が 、箱の中の線が中央値 、箱の右端が 、ひげの両端が最小値 と最大値 だ。箱の中にデータの約半数が詰まっている。箱ひげ図は五数要約を1枚の絵にしただけ、とわかれば、読み取りも作図も怖くない。
発展 — 一歩先へ。 箱ひげ図とヒストグラムは、同じデータの違う見せ方だ。
- ヒストグラム: 山の形が分かる。ただし 枚に 集団しか描けない
- 箱ひげ図: 形の情報は粗い。しかし細長いので、何十本も横に並べられる
たとえば「 都道府県の気温」「 か月の売上」のように、集団が多いときは箱ひげ図の独壇場になる。目的が「 つの分布を詳しく見る」なのか「たくさんの分布を比べる」なのかで、道具を選ぶ。
なお、箱ひげ図では山が つある分布(二峰性という。たとえば得意な人と苦手な人にきれいに分かれたテスト)を見抜けない。五数要約は同じでも、中の形はまるで違いうるからだ。要約は情報を捨てる操作である — 捨てた情報の中に大事なものがないか、元データやヒストグラムに立ち返って確かめる習慣を持ちたい。
最小値 、、中央値 、、最大値 、範囲 、四分位範囲
別解
出た つの数を箱ひげ図として読む練習をしよう。数値を出して終わりではなく、そこから分布の形を読み取るのが箱ひげ図の目的だ。
まず、区間ごとに何人いるか数える。 、中央値 、 で区切ると
- → 下ひげの区間( 人)
- → 箱の左半分( 人)
- → 箱の右半分( 人)
- → 上ひげの区間( 人)
きれいに 人ずつ、 等分されている。これが四分位数の意味だ。箱の中(= から )には、全体のちょうど半分(この場合 人)が入る。
次に、長さを比べる。
- 下ひげ: 、上ひげ: → 左右同じ長さ
- 箱の左半分: 、箱の右半分: → 右が 倍広い
ここから何が読めるか。 箱の右半分が広いということは、上位 の手前の人たち(〜 時間の層)が広く散らばっているということ。逆に 〜 時間の層は密集している(実際 と団子になっている)。
同じ人数でも、区間が広いほど「まばら」、狭いほど「密集」 — 箱ひげ図は、この密度の違いを長さで見せてくれる。ヒストグラムのように山の形をそのまま描くわけではないが、 つの数だけで分布の偏りが読めるのが強みだ。だから複数の集団(A組とB組、去年と今年)を並べて比べるときに重宝する。
読み方の要点をまとめる。
- 箱の幅()= まん中 の散らばり
- 箱の中の中央値の位置が左右どちらに寄っているか = 分布の偏り
- ひげの長さ= 端のほうの散らばり
ポイント
- 箱ひげ図は五数要約(最小値・・中央値・・最大値)で決まる
- 箱の長さが四分位範囲、ひげ全体の幅が範囲に対応する
- 偶数個のデータは前半・後半にきっちり半分ずつ分ける
よくある間違い
- 箱の端を最小値・最大値と混同する(箱の端は と )
- 中央値の計算で6番目の値だけを取ってしまう
- 偶数個なのに中央値を「除いて」下組・上組を作る(除くのは奇数個のときだけ。ここでは6個ずつに分ける)