数学I / データの分析
平均値と分散から未知の2つのデータを決定する
問題
5個のデータ
の平均値が 、分散が であるとき、 の値を求めよ。ただし とする。
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未知数2つ、条件2つ。直接追うと分散の式が重い。平均は『和 』を、分散は『2乗の和 』を与える — 和と2乗の和があれば積が出せる(数と式の対称式)。そこから2数へ。
解答・解説
方針
未知数が 、 の2つ、条件も平均と分散の2つ。連立で解ける勘定だが、直接 、 を追うと分散の式が複雑になる。
ここで効くのが対称式の見方だ。平均の条件は を、分散の条件は( の公式を経由して) を与えてくれる。和と2乗の和があれば から積 が出て、あとは『和と積 → 2次方程式の解』の定番の流れだ。
データの分析の皮をかぶった、対称式の融合問題だ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 未知数は 、 の つ。条件も平均と分散の つ。数の上では連立で解ける。
だが 、 を直接追うと、分散の式が重くなる。
そこで条件を翻訳する。平均からは和 が出る。分散からは( 乗の和の公式を経由して) が出る。
和と 乗の和がそろえば、積 も出せる。あとは和と積から 数を復元する既習の流れに乗る。
統計の皮をかぶった対称式の問題だ。
まず平均値の条件から を求める。 平均値が なので総和は だ。
、 個別ではなく、まず和が手に入った。この時点で対称式の道すじが見えてくる。
次に分散の条件から を求める。 分散を定義式(偏差の2乗平均)で書くと 、 の混ざった複雑な式になる。公式 を使えば『2乗の総和』という扱いやすい量に条件が翻訳できる。
よって2乗の総和は だ。
対称式から 、 を決める。 より
和が 、積が 。解と係数の関係により、、 は2次方程式
の2解だ。 より
検算: データ の平均は ✓。偏差は で2乗和は 、分散は ✓
振り返り。 『平均 → 和』『分散 → 2乗の和』という条件の翻訳ができれば、あとは数と式で鍛えた対称式の手順(和・積 → 2次方程式)がそのまま走る。統計量は結局のところ と の情報だ。この見方は『合計値だけから相関係数を出す問題』や『2グループを合併する問題』とも通じる、この単元の背骨だ。
発展 — 一歩先へ。 この問題で効いたのは、平均が を、分散が を与えるという翻訳だった。
裏を返せば、平均と分散さえ分かれば、そのデータの と が復元できる。個々の値を知らなくても、この つの合計だけで答えが出る問題は多い。
平均と分散は、データの情報を と に凝縮した「 次と 次の要約」だ。数学Bの確率変数でも、期待値と分散が同じ役割を果たす。この見方は統計の背骨として何度も戻ってくる。
別解
別解 — 平均からの偏差で考える(得意な人向けの視点)。 生の値でなく、平均 からの偏差で計算すると、途中の数が小さくなる。
既知の 、、 の偏差は 、、。その 乗の和は 。
偏差の 乗の総和は「分散 × 個数」だから 。よって 、 の偏差を 、 とおくと
また偏差の総和は だから 、つまり 。
ここで積を出すと
なので、 か の一方が 。偏差 とは「その値がちょうど平均 」ということだ。 と から 、すなわち 、。本解と同じ答えだ。
生の を作らずに済み、しかも「 個のうち 個はちょうど平均」という構造が見えてくる。
ポイント
- 平均値 → 和、分散 → 2乗の和、という条件の翻訳
- 和と2乗の和 → 積 → 2次方程式の解、という対称式の定石で2つの未知数が決まる
- 求めた値は必ずもとの条件(平均・分散)で検算する
よくある間違い
- の係数 を落として とし、 次方程式の解を取り違える。
- 分散を偏差のまま展開しようとして 、 の混じった式に手が止まる( 乗の和 を経由すれば軽い)。
- 和と積が出たあと の指定を忘れ、、 と大小を逆に答える。