入試過去問 / 京都大学 2026年度 数学(理系)
第1問 対数を含む関数のグラフと水平線がちょうど2点で交わる条件
出典京都大学 令和8年度 一般選抜 数学(理系) 第1問
問題文は京都大学が公表した試験問題からの引用です。解答・解説はtelvia演習ラボが作成したもので、京都大学が公表したものではありません。
問題
は より大きい実数とし, は実数とする. において定義された関数を
とおく. と のグラフの共有点がちょうど 個存在するような実数の組 の集合を,座標平面上に図示せよ.ただし は自然対数とする.また, が成り立つことを証明なしに用いてよい.
(30 点)
ヒントを見る
をそのまま微分せず、分母の中の を1つの関数として調べられるか。その関数の山の頂上が に入るかどうかで話が分かれる。
解答・解説
方針
とおくと、()。 の増減から解の個数を で場合分けし、ちょうど2個になる条件を の不等式にして図示する。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) の解の個数を、グラフの交点で数える。 は分数の形で、そのまま微分すると式が重い。そこで分母の中の を とおく。
なので で、 である。すると となり、 は と同じになる。 は1回微分すれば増減が分かる。
① の符号。 なので、 では共有点がない。以下 とする。 だから
② の増減。 を微分すると
となるのは のときで、 で 、 で である。
③ のとき。 なので、 では で、 は増加する。 の解は多くても1個なので、条件を満たさない。
④ のとき。 は で増加し、 で減少する。端と頂上の値は
( は、問題文で証明なしに使ってよいとされている。)
ここで を確かめる。 とおくと ()で、 だから である。
したがって ()の解の個数は次のようになる。 は定義域に含まれないので、値 は減少する側ではとらない。
- :増加する側の 個
- :増加する側と減少する側で 個
- : 個
- : 個
⑤ 条件をまとめる。 ちょうど2個になるのは、 かつ のときだ。どの辺も正なので、逆数をとって2乗すると
求める集合は の範囲で2曲線 と にはさまれた部分(境界を含まない)である。 のとき上の曲線は限りなく大きくなり、下の曲線は に近づく。 では2曲線がともに になる。
まとめ:分母の中身 に置きかえると、解の個数は「山形のグラフと水平線の交点の数」になる。山の頂上 が区間に入るか()と、右端の値 が頂上より低いかを調べた。右端 が区間に含まれないことが境界の扱いを決める。
発展。 2曲線は点 で接している。 の傾きは 、 の傾きは で、 ではどちらも になる。そのため、求める集合は が に近づくほど細くなっていく。
かつ を満たす点 の集合(2曲線にはさまれた部分で、境界を含まない)
別解
別解:置きかえで、 によらない1つのグラフにまとめる。 とおく。 が小さいほど は大きく、 は に1対1に対応する。 なので
方程式 は になる。
関数 は を含まない。 なので で最大値 をとり、 で に近づく。 の役割は区間の左端 を決めることだけになる。
区間 で が2個の解をもつには、頂上 が区間に入ること(、つまり )と、 が必要十分である。 なので
となり、本解と同じ条件が得られる。
ポイント
- 、 とみて、 の解を数える。
- なので、頂上 が区間に入るのは のとき。
- 右端の値 は でとる値で、区間に含まれない。
よくある間違い
- は定義域に含まれないのに を値として数え、 の境界を集合に含めてしまう。
- から の解も探してしまう。 では である。
- の場合を調べず、 の場合の結果だけで答えてしまう。