模試の復習のしかた — 点数ではなく「間違いの種類」を見る

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月6日

模試は、受けたあとの使い方で価値が決まります。点数と偏差値を見て一喜一憂して終わりにすると、時間と受験料を捨てたのと同じです。この記事では、模試を「弱点の診断書」として使い、次の勉強に変える手順を説明します。

模試の役割は「診断」

模試の本当の役割は、自分の弱点を、範囲を限定しない形で見つけることです。定期テストは範囲が狭いので「その単元を仕上げたか」しかわかりません。模試は全範囲から出るので、「どの単元が抜けているか」「どの型で止まるか」「時間配分はどうか」が一度にわかります。

だから、模試の復習は、点数ではなく「間違えた問題の種類」を見ることから始めます。

復習の手順: 返却当日に3つに分ける

模試が返ってきたら(または自己採点したら)、その日のうちに、間違えた問題と解けなかった問題を、次の3種類に分けてください。

1つ目は「方針が立たなかった」問題です。何をすればよいかわからなかった、手が止まった、という問題で、その単元の理解が欠けている合図です。2つ目は「方針は立ったが解ききれなかった」問題で、途中で計算が止まった、場合分けが漏れた、時間が足りなかった、というものです。演習量が足りない合図です。3つ目は「計算ミス」で、方針も途中も正しかったが答えが違ったものです。ミスの型の記録の対象です。

この3種類は、対策が違います。1つ目は単元に戻る、2つ目は同じ型の問題を追加で解く、3つ目はミスの型を記録して検算の重点を決める、です。

1つ目: 単元に戻る

方針が立たなかった問題は、その問題の解説を読むだけでは直りません。その問題が属する単元の、基礎と標準を解き直してください。模試の問題が「三角関数の合成を使う最大・最小」なら、三角関数の標準「合成を利用する最大・最小」と、その前の「三角関数の合成」に戻ります。

どの単元のどの型かがわからないときは、単元ページの先頭にある記事の「入試での出方」の節を読むと、模試の問題がその単元のどの型に当たるかが見えます。単元がわかっても解けない場合は、つまずきマップで1つ前の単元を確認してください。

2つ目: 同じ型を追加で解く

方針は立ったが解ききれなかった問題は、理解は足りていて、手が慣れていない状態です。同じ型の問題を、このサイトで3〜5問解いてください。単元ページの難易度フィルタで標準と応用を表示し、タイトルから同じ型の問題を選びます。

時間が足りなかった場合は、その型の問題を時間を計って解きます。基礎で5分、標準で10分、応用で15分を目安に、時間内に解ききる練習をしてください。共通テスト数学の対策に、時間配分の作り方をまとめてあります。

3つ目: ミスの型を記録する

計算ミスは、「惜しかった」で済ませると次も起きます。符号・分数・展開・置き換えの戻し忘れ・範囲の確認漏れ、のどれかに分類して記録してください。模試を数回受けると、自分のミスの分布がわかり、検算の重点が決まります。計算ミスを減らす方法に、分野ごとのミスの型と検算の技術をまとめてあります。

解けた問題も見る

解けた問題のうち、「自信がなかった」「時間がかかった」ものにも印を付けてください。本番で同じ型が出たとき、確実に取れるとは限らないからです。これらは2つ目の扱いで、同じ型を追加で解いておきます。

解答・解説を読むときは、自分の解法と違う方法(別解)があれば、それも読んでください。模試の解説は紙面の都合で1つの解法しか載っていないことが多いので、このサイトの同じ型の問題の別解と見比べると、引き出しが増えます。

復習の期限と再挑戦

模試の復習は、返却から1週間以内に終えてください。それを過ぎると、解いたときの記憶が薄れて、「なぜそう考えたか」がたどれなくなります。

復習が終わった問題は、1か月後にもう一度、解説を見ずに解いてください。解けたら定着しています。解けなければ、もう一度単元に戻ります。復習の回し方に、解き直しの間隔のつくり方をまとめてあります。

模試の点数との付き合い方

模試の偏差値は、受験者層と出題範囲で大きく変わります。同じ模試の同じ回を、時間をおいて比べるのが正しい比べ方で、違う模試の偏差値を並べても意味はありません。

点数より見るべきは、「1つ目(方針が立たない)の問題が減っているか」です。これが減っていれば、単元の穴が埋まっています。2つ目・3つ目の問題は、演習量とミス対策で減らせるので、最後に残るのはこの2種類です。方針が立たない問題がゼロに近づいたら、あとは時間配分と計算精度の勝負になります。

物理の模試

物理の模試も、手順は同じです。方針が立たなかった問題は、「どの法則を使うか」で止まったのか、「図が描けなかった」のか、「立場(地上から見るか、乗り物の中から見るか)で混乱した」のかを分けて、物理のつまずきマップで戻り先を探してください。物理は、図を描かずに公式に当てはめて失点するのが典型的なので、「図を描いたか」を復習のチェック項目に加えてください。