復習の回し方 — 解けなかった問題を翌日と1週間後に解き直す
文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日
問題集を1周しただけで成績が上がる人は、ほとんどいません。上がる人は、解けなかった問題を「いつ」「どう」解き直すかを決めています。この記事では、解き直しの間隔、間違いの記録のしかた、そして「解けた問題」の扱いについて、実際に効く手順を説明します。
解けなかった問題は「翌日」と「1週間後」に解き直す
解説を読んで理解した直後は、解けたような気になります。ただ、翌日に解説を閉じてもう一度解くと、手が止まる問題が必ずあります。それが本当に身についていない問題です。
手順は次のとおりです。解けなかった問題に印を付けておき、翌日にその問題だけを解説を見ずに解きます。解けたら1週間後にもう一度、解けなかったらその日にもう一度解説を読み、翌日に再挑戦します。1週間後にも解けたら、その問題は卒業です。
このサイトの問題ページは、問題ごとに独立したURLをもつので、ブラウザのブックマークやメモアプリに「解き直す問題」のリンクをためておくと、翌日と1週間後の解き直しが楽になります。
間違いを3種類に分けて記録する
解けなかった理由は、大きく3つに分かれます。方針が立たなかった(何をすればよいかわからなかった)、知識が足りなかった(公式や定理を知らなかった・忘れていた)、計算ミス(方針も知識も正しかったが途中で間違えた)です。
この3つは、対策が違います。方針が立たなかったなら、解説の「⓪ 発想」の段落を読み、「なぜその方針を思いつくのか」を自分の言葉で言い直します。知識が足りなかったなら、公式を確認して、その公式を使う基礎の問題を2〜3問解きます。計算ミスなら、ミスの型(符号・分数・置き換えの戻し忘れなど)を記録します。
記録は、問題のリンクと、3種類のどれか、そして一言のメモ(「軸の位置で場合分けすることを思いつかなかった」「 の積分の符号」など)で十分です。1か月分たまると、自分の弱点の分布がわかり、対策の重点が決まります。
「解けた問題」の解説も読む
解けた問題は、答え合わせだけで終わりがちですが、解説には別解と「よくある間違い」が付いています。別解は、自分の解法と考え方の種類が違うことが多く(代数的に解いたら図形的な別解がある、など)、読むと引き出しが増えます。「よくある間違い」は、自分が今回たまたま踏まなかっただけの落とし穴で、次に踏む可能性があります。
解けた問題は、解説を3分で読んで、「別解の考え方は自分の解法とどう違うか」を一言で言えるかを確かめてください。言えなければ、その別解を使って解き直す価値があります。
周回のしかた
このサイトの単元は、基礎12問・標準12問・応用8問の32問を軸にしています。1周目は、基礎→標準→応用の順に、全問を解きます。2周目は、1周目に印を付けた問題だけを解きます。3周目は、2周目にも解けなかった問題だけです。周を重ねるごとに問題数が減り、3周目には数問になります。
1周目で「全部解けた」単元は、2周目を飛ばして構いません。ただし、1か月以上たったら、標準の問題を数問だけ解いて、手が動くかを確かめてください。
復習の間隔を伸ばしていく
翌日、1週間後、と解き直した問題は、次は1か月後に解きます。間隔を伸ばしても解けるなら、その問題は長期的に定着しています。逆に、1か月後に解けなければ、また翌日・1週間後のサイクルに戻します。
この「間隔を伸ばす」やり方は、短い間隔で何度も繰り返すより、同じ回数で長く記憶に残ることが知られています。テスト前にまとめて詰め込むより、日常的に少しずつ解き直すほうが、同じ時間で多くの問題を定着させられます。
定期テスト前の使い方
テスト2週間前からは、範囲の単元の基礎と標準を1周し、印の付いた問題を翌日に解き直す、というサイクルを回します。1週間前からは、印の付いた問題だけを繰り返します。前日は、印の付いた問題の中から数問を解いて、手の動きを確かめるだけにとどめます。具体的な2週間の手順は、定期テストの数学に間に合わせるにまとめてあります。
入試に向けた長期の使い方
入試までの期間が長いなら、単元ごとに応用(★★★)まで解いてから、次の単元に進みます。難関(★★★★)以上は、全単元の応用を終えてから、志望校の難度に合わせて取り組んでください。解き直しのサイクルは同じで、難しい問題ほど「1週間後に解説なしで解けるか」が本当の理解の目安になります。
解き直しの記録は、入試直前期に「自分が何度も間違えた問題」を一覧にして見直すための材料になります。このサイトの問題は単元・難易度ごとに整理されているので、記録には問題のリンクと理由の種類だけを残しておけば、あとから整理しやすくなります。
解き直しの「質」を上げる
解き直しは、回数より質で決まります。翌日に解説を見ずに解けたとしても、「なぜその方針か」を自分の言葉で言えないなら、次に少し設定が変わった問題で止まります。
解き直すときは、答えを出したあとに、次の3つを口に出して(または書いて)確かめてください。この問題の急所はどこか(場合分けの基準、置き換えの範囲、どの法則を使うか)。別解はどんな考え方か(代数と図形、運動方程式とエネルギー、など)。よくある間違いのうち、自分が踏みそうなのはどれか。この3つが言えれば、その問題は本当に身についています。
このサイトの解説は、この3つに対応する「⓪ 発想」「別解」「よくある間違い」を、すべての問題に付けてあります。解き直しのたびに、この3つの項目を確認する習慣をつけると、1問から得られるものが数倍になります。
記録が続かない人へ
記録は、細かくすると続きません。「問題のリンク」「3種類のどれか」「一言」だけに絞り、1問30秒で書ける形にしてください。紙のノートでも、メモアプリでも、ブックマークのフォルダ分けでも構いません。
続かなくなったら、記録を一度やめて、解き直しだけを続けてください。解き直しそのものが最も効く部分で、記録はそれを効率化する補助です。補助のために本体が止まるなら、本末転倒です。