数学C / 平面上の曲線
放物線の焦点と準線
問題
放物線 の焦点と準線を求めよ。
ヒントを見る
まず放物線の標準形(頂点が原点の形)と見比べて、 の値を読み取ろう。焦点の位置も準線も、 が決まればそこから書ける。
解答・解説
方針
の形は、焦点 、準線 。 と比べて 、。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 放物線の標準形を、思い出そう。
この形なら、焦点と準線は だけで決まる。
- 焦点:
- 準線:
与えられた式と、見比べる。
、つまり 。
焦点と準線は、原点をはさんで反対側にある。
焦点が右()なら、準線は左()。
この対称性を、図で確認しておこう。
放物線は、焦点のある側へ開いている。
そして、この つ(焦点と準線)には、放物線を定義する、決定的な意味がある。 それは別解で見よう。
① を求める。 を と比べて 、。
② 焦点と準線を書く。
まとめ:放物線 は「焦点からの距離 = 準線からの距離」の点の集まり。 の係数から を読む。焦点は 軸上 、準線は縦線 。 が正なら右向きに開く。
発展 — 一歩先へ。 放物線・楕円・双曲線 — この つを、まとめて 次曲線という。
なぜ、この つがセットなのか。
円錐を、平面で切ってみよう。
切り方によって、断面の形が変わる。
- 軸に垂直に切る → 円
- 少し傾けて切る → 楕円
- 母線に平行に切る → 放物線
- もっと急に(軸に平行に近く)切る → 双曲線
つの円錐から、 種類の曲線がすべて出てくる。
だから、円錐曲線と呼ばれる。
( 年前、アポロニウスが体系的に研究した。)
そして、この つは、統一的な定義でも書ける。
「 点(焦点 )と 直線(準線 )からの距離の比が一定」
この の値で、曲線の種類が決まる。
- → 円
- → 楕円
- → 放物線(距離が等しい — この問題の定義!)
- → 双曲線
放物線は、楕円と双曲線の"境界"にいる。
を から少しずつ大きくしていくと、円 → 楕円 → (だんだん細長く)→ 放物線 → 双曲線 と、連続的に変化していく。
そして、この という数は、天体の軌道を決める。
ケプラーの法則(惑星の軌道は楕円)を、ニュートンは万有引力から導いた。
その計算によれば、天体の軌道は 次曲線になる。
- (楕円): 惑星、彗星 — 太陽のまわりを、周回する
- (放物線): ぎりぎり戻ってこない — 脱出速度ちょうど
- (双曲線): 恒星間天体 — 太陽系を通り過ぎて、二度と戻らない
年、太陽系外から来た初の天体「オウムアムア」が発見された。
その軌道の離心率は — 双曲線軌道だ。
太陽の重力に捕まらず、通り過ぎて去っていった。
の焦点は
この、教科書どおりの計算。
その焦点という概念が、パラボラアンテナを設計し、惑星の軌道を予言し、太陽系を通り過ぎる天体の運命を決めている。
焦点 、準線
別解
放物線の"定義"に戻って、焦点と準線を検証する。
放物線とは何か。
「 点(焦点)と 直線(準線)から、等距離にある点の集合」
これが定義だ。
この定義が、本当に成り立っているか、実際の点で確かめよう。
曲線 上の点を、 つ取る。
この点から、焦点 までの距離は?
次に、準線 までの距離は?
準線は縦線なので、 座標の差だけを見ればよい。
どちらも ! 等しい ✓
別の点でも確かめよう。
焦点までの距離:
準線までの距離:
やはり等しい ✓
(–– の直角三角形が出てくるのが、気持ちいい。)
さらに、頂点 でも。
焦点まで 、準線まで ✓
すべての点で、「焦点までの距離 準線までの距離」が成り立っている。
これが、放物線の正体だ。
この定義から、方程式を導いてみよう。
点 が、焦点 と準線 から等距離にある。
両辺を 乗する。
と が消える。
標準形が導けた!
公式を暗記していた は、「焦点と準線から等距離」という定義を、そのまま式にしたものだったのだ。
この定義は、放物線の応用を理解する鍵になる。
パラボラアンテナ。
軸に平行に入ってきた電波は、放物面で反射すると、必ず焦点に集まる。
なぜか。 放物線の反射の性質による。
逆に、焦点から出た光は、反射して軸に平行な平行光線になる。
これが、車のヘッドライトや懐中電灯の原理だ。
焦点に電球を置けば、光がまっすぐ前に飛ぶ。
「焦点」という名前の由来が、これである。 光が焦げるほど集まる点、という意味だ。
ポイント
- :焦点 、準線 。
- 係数 から を読む。
よくある間違い
- から としてしまう。 で、焦点は
- 準線を (焦点と同じ側)としてしまう。準線は焦点の反対側で
- を のような縦向きの放物線と混同する。 の形は、横向きに開く