数学II / 式と証明
分数式の絶対値が1未満であること
問題
実数 が を満たすとき、次の不等式が成り立つことを示せ。
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絶対値つきの分数の比較は「分母の符号の確認」+「2乗の差」が定石。 を展開せずに、和と差の積として因数分解してみると、仮定の形がそのまま現れないか。
解答・解説
方針
まず分母 が正であることを確かめる。次に絶対値の比較を2乗の差に持ち込み、 を因数分解すると — 仮定がそのまま正を保証する形が現れる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 示すべきは 。絶対値どうしの比較は、2乗の差が扱いやすい。
は「和と差の積」で一気に因数分解できて、整理すると 。仮定 がそのまま「正」を保証する形になる。
分母が0にならないこと()を先に押さえておくのが作法だ。
① 分母の符号。 だから 、すなわち
とくに分母は0でない。
② 2乗の差を因数分解する。
前の因子は 、後の因子は 。よって
③ 仕上げ。 より だから
両辺を正の数 で割って 。
まとめ: 差の2乗の因数分解 がすべてだ。「1より小さい2数から作ったこの分数は、また1より小さい」という閉じた構造をもつ、名のある形である。
発展 — 一歩先へ。 この分数は、相対性理論の速度の合成則そのものだ。光速を1とすると、速度 の船から速度 で打ち出したものの地上から見た速度が 。光速未満どうしをどう合成しても光速を超えない — 本問の不等式は、その数学的な骨格である。
証明( による)
別解
2乗しないで、両側から直接はさむ(すっきりルート)。 ②の因数分解の部品を、2乗を経由せずにそのまま使うこともできる。
から はすべて正。だから
2つの式は、それぞれ と を意味する。あわせて
つまり 。①の で割って結論が出る。
2乗の差(本解)は1本の式で済む代わりに展開が要る。両側評価(本ルート)は式が2本になる代わりに、因数分解が直接見える。同じ2つの因数 の、2通りの使い方だ。
ポイント
- (分母の確認)。
- 。
- よって で結論。
よくある間違い
- 分母 の確認を飛ばして絶対値を外す。 の一行が答案の土台。
- 因数分解 の符号の組合せを誤る。、 を展開で検品。
- (絶対値の積の性質)を使ったことを書かない。 はここから出ている。