数学II / 式と証明
x+1/x の対称式は整数係数多項式(漸化式)
問題
とし、 とおく。各自然数 に対して は の整数係数の多項式で表せることを示し、 を で表せ。
ヒントを見る
とおく。 を展開すると 。漸化式 。
解答・解説
方針
の漸化式 を導く。初期値が整数係数多項式なので、帰納的にすべて整数係数。順に計算して 。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 たちは、べきが1つ違いの仲間と連動している。試しに を掛けると、 と の和が出てくる。
つまり とおけば、3項間の漸化式 が立つ。
出発点 、 は の整数係数多項式。漸化式は「 を掛けて前を引く」だけだから、整数係数のまま次々に上がれる。帰納法の形が見えた。
重要 とすると ()
① 漸化式の導出。 よって 。
② 整数係数の保存(帰納法)。 は整数係数。 が整数係数多項式なら、 も整数係数の和・積・差だから整数係数。よってすべての で は の整数係数多項式。
③ 順に計算。 よって 。
まとめ から漸化式 、帰納法で整数係数、。対称式と漸化式(帰納法)の融合。
発展 — 一歩先へ。 相反方程式への応用が有名だ。( の の部分)を で割って に直すと 。ここから 、つまり が求まる。「次数を半分にする」置き換えである。
答
とおくと ()。整数係数が帰納的に保たれる。。
別解
別解 — を単位円に乗せて「 倍角」と読む(得意な人向けの高い視点)。 絶対値 の複素数 を入れてみる。 だから
(ド・モアブルの定理)。つまり とは「 を の多項式で表す式」、 倍角の公式の正体である。
は 、 は3倍角。本問の は5倍角の公式に他ならない。
漸化式 も、加法定理からくる と同じ式だ。代数の漸化式と三角関数の公式が、1本につながっている。
ポイント
- から 項間漸化式。
- と帰納法で整数係数を保つ。
- 。
よくある間違い
- 積 の交差項を忘れて と1項間で進めてしまう( 型の項が として残るのが3項間の理由)。
- を とする(。3項間漸化式は初期値が2つ要る)。
- の定数項 を落とし、 の1次の項 が合わなくなる。