数学II / 式と証明
相加・相乗平均による不等式の証明
問題
を正の実数とするとき、 が成り立つことを示せ。また、等号が成り立つのはどんなときか。
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左辺は つの「 数の和」の積。それぞれに相加・相乗平均を当てて、 つを掛け合わせる。等号はすべての相加相乗の等号が同時に成り立つとき。
解答・解説
方針
各因数に相加・相乗平均 、、 を用い、正の数どうしなので辺々を掛け合わせる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 左辺は つの「 数の和」の積。相加相乗平均が各因数に効く。
、、。 つとも正の数どうしの不等式だ。
正の数の不等式は辺々を掛けてよい。 つを掛けると右辺は 。等号は各不等式の等号が同時に成り立つ のとき。
① 各因数に相加相乗。 より
② 辺々を掛ける。 すべて正だから、不等号の向きを保って掛け合わせられる。
③ 右辺を整理する。 だから ()。よって
④ 等号条件。 等号は かつ かつ 、すなわち のとき。(証明終)
まとめ:「和の積」「積」の形は、各因数に相加・相乗平均を当てて掛け合わせるのが定石。正の数どうしだから辺々を掛けられる。等号はすべての相加相乗の等号が同時に成り立つ 。
発展 — 一歩先へ。 は、より一般の 変数の相加相乗平均 の応用。 変数版 と組み合わせると、対称式の不等式が次々に導ける。等号成立が「全部等しい」なのは、相加相乗平均の共通の特徴だ。
各因数に相加・相乗平均 等を用い、 つを掛けると 。等号は 。証明は解答参照
別解
別解 — 等の比で 変数化して確かめる(別の視点)。 不等式が同次(すべての項が同じ次数)なので、 と正規化しても一般性を失わない。さらに対称性を使いつつ、各因数を比で見る。
…と分けるより、各因数の比
を使う()。 つの因数それぞれがこの形で になり、積が 。だから 。等号は各比が 、すなわち 。
相加相乗を つ掛ける本解と同じだが、各因数を「」と読むと、 という最も基本的な不等式に帰着する。同次な不等式は「比で見る・ つを に固定する」と扱いやすい。
ポイント
- 各因数に 等、辺々を掛ける。
- 、等号は 。
よくある間違い
- 相加相乗を掛け合わせるとき、 因数がすべて正であることの確認を省く(負が混じると不等号が壊れる)。
- 右辺 の平方根の処理( なので )を誤る。
- 等号成立を「 または 」で止め、 つの等号が同時= まで詰めない。