数学II / 式と証明
3次式の展開
問題
次の式を展開せよ。
(1)
(2)
(3)
ヒントを見る
を 回かけて地道に展開してもよいが、 乗専用の展開の形を覚えていれば一気に書ける。係数の並びが左右対称になることが検算に使える。(3)は展開してみると途中の項がバタバタ消える — 何が残るか。
解答・解説
方針
3次の展開公式を使う。 は4つの項が出る(係数 )。(3)は『和 × (2乗 − 積 + 2乗)』の形で、 の公式そのものだ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 乗の展開は、公式を つ覚えれば全部片づく。
係数は 。 真ん中の を落とすのが最頻ミスだ。
(2)の では、、 とまるごと置きかえる。
— も 乗される。 としてしまう事故が本当に多い。カッコの中身は全部 乗、と唱えながら書く。
(3)は展開公式ではなく、 乗の和の因数分解の形だ。
、 で 。真ん中の項が消えるのが、この公式の見どころである。
(1) 展開公式に 、 を入れる。
(2) に 、 を入れる。符号が と交互になる。
(3) の公式(、)。
(3)は展開してもよいが、公式の形に気づけば一瞬で終わる。
発展 — 一歩先へ。 なぜパスカルの三角形の数が、展開の係数になるのか。
を、カッコを開かずに考える。 個のカッコから、それぞれ か を つずつ選んで掛ける — その全パターンを足すのが展開だ。
の項は、どうやってできるか。 個のカッコのうち、 個から を選び、残り 個から を選ぶ。その選び方は
だから係数が になる。 同じく の係数は 、 は 。
展開の係数は、組合せの数だった。 これが二項定理で、次の問題で正面から学ぶ。
「展開する」という代数の操作が、「選び方を数える」という場合の数の問題と同じなのだ。 の の係数を知りたければ、 回掛け算する必要はない — と数え上げれば済む。
代数と数え上げが、パスカルの三角形で握手している。
(1) (2) (3)
別解
公式を忘れても、パスカルの三角形があれば 乗も 乗も展開できる。 覚える量を減らす、賢い方法だ。
パスカルの三角形を、必要な段まで書く。
乗なら 段目の 。 これが の係数だ。
の指数は と減り、 の指数は と増える。 指数の和はいつも — これが検算になる。
(1) に当てはめる。 、 として
係数 の作られ方を見てほしい。パスカルの に、 の累乗()を掛けている。
段構えで係数が決まる — この構造が見えれば、 でも でも、その場で係数が作れる。
(2) は、、。
、 — カッコごと累乗するのを忘れない。負の数の累乗は符号が交互(、、)になるので、引き算の 乗は と符号が交代する。これも検算に使える。
検算の技: を代入する。
(1)なら、左辺 、右辺 ✓。
展開したら、必ず で確かめる。 係数の和が、元の式に を入れた値と一致するはずだ。 秒でできる検算で、符号ミスも係数ミスも一発で見つかる — この習慣が、点数を守る。
ポイント
- は4項、係数は
- 、
- 公式の形を見抜くと、展開せずに済む
よくある間違い
- で とせず とする
- 3乗の展開で中央の係数 を落とす
- (3)を の公式で展開しようとする(これは の因数分解の形)