数学II / 三角関数

cos36°−cos72° の値

最難関編倍角の公式連立

問題

(1) および が成り立つことを示せ。

(2) を示せ。

(3) の値を求めよ。

ヒントを見る

と倍角でたどると、最後はよく知る角に戻ってこないか。得られた2本の関係式を、解こうとせずにまず足してみる — 右辺に現れる形は因数分解できる。

解答・解説

方針

36°は倍角の連鎖が閉じる特別な角: 72°=2×36°、さらに 144°=2×72° が 180°−36° に戻る。この2本の倍角の式を連立し、辺々加えると右辺が2乗の差になって共通因数 (a+b) で割れる — 個々の値を知らないまま差 1/2 が先に出る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の特別さは、倍角の連鎖が閉じることだ。、そして で出発点に戻る。

とおくと、倍角2回で「 の式」「 の式」という対の連立ができる。

これを解きにいく前に、辺々加えるのが急所。右辺に が現れ、左辺の と共通因数になって割れるので、個々の値より先に差 が求まってしまう。

公式倍角: 。補角:

① 連立を作る((1)の証明)。 に倍角の公式を使えばそのまま

次に に倍角: 。左辺は補角の公式で 。よって 、すなわち

② 加えて割る((2)の証明)。 (ともに正)とおくと、①の2式は 。辺々加えて

だから両辺を で割れて

③ 値を求める((3))。 に代入:

だから

まとめ: 「連立を解く前に足して、共通因数 で割る」— 割る前に を確かめる一言まで含めて答案の核心。 は正五角形の内側に住む角で、答えに現れる は対角線と辺の比(黄金比)の影だ。

発展 — 一歩先へ。 ( は黄金比)。正五角形の対角線と辺の比が であることと、この値はひとつながりだ。 一族()の三角比には、すべて が宿る。

(1) 倍角と補角による(証明) (2) 2式を加えて で割る (3)

別解

の方程式から攻める( 側のルート)。 を主役にしても、同じ黄金比の家族に届く。

の特別さは 。両辺の正弦をとると 、すなわち

(左辺は3倍角、右辺は倍角。)整理して が解だと気づけば因数分解できて

だから で、 より 。すると

差も … ではなく を直接使って ✓。

」型の角の関係は、 一族の値を生む第2の蛇口だ。倍角の連鎖(本解)と使い比べてほしい。

ポイント

  • 倍角2回+補角で の連立。
  • 加えて で割ると
  • 代入して

よくある間違い

  • で割る前に (ともに正)を言わない。0かもしれない式で割るのは反則。
  • 補角の符号 を落とし、連立の2本目の符号が崩れる。
  • (3)で2解 から正を選ぶ根拠()を書かない。