数学I / 図形と計量

対辺が等しい四面体の体積

最難関編空間図形体積

問題

四面体 ABCD において、 が成り立つ。この四面体の体積を求めよ。

ヒントを見る

対辺が3組とも等しい四面体は、直方体の「4つの頂点を1つおきに選んだもの」として作れる。直方体の辺を とすると、四面体の各辺は面対角線 などになる。3つの2乗の値から を求められるか。

解答・解説

方針

3組の対辺がそれぞれ等しい四面体は、直方体の対角(面対角線)として埋め込める。直方体の辺を とし、面対角線の2乗が 等になることから を決める。体積は直方体の

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「3組の対辺がそれぞれ等しい」という強い対称性は、直方体への埋め込みを示唆する。直方体の8頂点から1つおきに4頂点を選ぶと四面体ができ、その6辺はちょうど直方体の面対角線(3種類が2本ずつ)になるからだ。

直方体の辺を とすれば、四面体の辺の2乗は 。与えられた をこれに対応させて を求める。

体積は「直方体から四隅の三角錐4つを切り落とす」と直方体の になる。

重要対辺が3組とも等しい四面体は直方体に内接。四面体の体積は直方体の体積の (四隅の直角三角錐4個を除く)

① 直方体の辺を求める。 の直方体で、面対角線の2乗は 。これらが (順不同)だ。3式を全部足すと

各辺の2乗は、 から対応する面対角線の2乗を引けば出る。。すなわち

② 体積。 直方体の体積は 。四面体はその だから

xyzABCD
3組の対辺が等しい四面体 ABCD(AB=CD=√5, AC=BD=√10, AD=BC=√13)。各辺を直方体(1×2×3)の面対角線とみて埋め込むと、体積は直方体の 1/3 で 2

まとめ: 対辺が等しい四面体を直方体に埋め込む。これが最大の急所だ。面対角線の2乗の和から を出し、各辺を引き算で逆算する。体積は直方体の で一気に出る。

発展 — 一歩先へ。 この四面体は4つの面がすべて合同(等面四面体)になっている。「対辺が3組等しい ⟺ 直方体に埋め込める ⟺ 4面が合同」で、しかも各面は必ず鋭角三角形になる。直方体という「箱」が、この立体の性質をすべて教えてくれる。

別解

四隅を実際に切り落とす(体積 1/3 の種明かし)。 「直方体の 」を公式として使わず、その場で確かめよう。

の直方体から四面体 ABCD を取り出すと、残りは「隅の三角錐」4個だ。どの隅の三角錐も、直方体の1つの頂点に集まる3辺()を直交する3辺としてもつ。だから1個の体積は

(底面は直角三角形で面積 、高さ 。)これが4個で 。よって

一般の でも同じ計算で、隅1個は 、4個で 。残る四面体は になる。「」の正体は、この四隅の切り落としだ。

ポイント

  • 対辺が等しい → 直方体に内接()。
  • 面対角線の2乗和

よくある間違い

  • どの長さがどの面対角線に対応するか、で悩み続ける。3式の和 から入れば、対応を決めなくても各辺が引き算で決まる。
  • 四面体の体積を直方体の と思い込む。切り落とす隅は4個あり、残りは
  • 面対角線と空間対角線()を混同する。四面体の辺になるのは面対角線。