数学I / 図形と計量
三角比の定義(直角三角形)
問題
の直角三角形 において、、、 である。、、 の値をそれぞれ求めよ。
ヒントを見る
角 から見ると、3辺に『斜辺・対辺・隣辺』の役割がつく。斜辺は直角の向かい。残り2辺は『角 の真向かいか、となりか』で見分けられる。まず図で、その3つを区別するところから始めよう。
解答・解説
方針
直角三角形の三角比は、3つの分数で決まる。、、 の3つだ。まずは言葉で覚える。
角 から見ると、辺に3つの名前がつく。
- 斜辺: 直角の向かい。いちばん長い辺。ここでは 。
- 対辺: 角 の真向かいの辺。ここでは 。
- 隣辺: 角 のとなりの辺(斜辺でないほう)。ここでは 。
この3つで 、、 と決まる。
注意は1つだけ。『対辺』『隣辺』は、どの角から見るかで入れかわる。角 と角 では対辺が別の辺になる。だから と は別の値だ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 三角比の定義は、角 から見た 辺の呼び名を決めるところから始まる。
- 斜辺: 直角の向かい()
- 対辺(向かい合う辺):
- 隣辺(はさむ辺):
どの角から見るかで、対辺と隣辺が入れ替わる — 角 の話をしているのに角 の対辺を使う、が最頻ミスである。
直角は 。だから斜辺は向かいの だ。
角 の位置に立ったつもりで、残り2辺を見分ける。
- 対辺(角 の真向かい):
- 隣辺(角 のとなり):
あとは定義の分数に入れるだけ。
もし としたら、角 から見た対辺と取りちがえている。図で『 の向かいはどれ?』を指でさして確かめるとよい。
まとめ:最後に検算。 だから、確かに の直角三角形だ。 も成り立つ。この は、次の問題で主役になる。
発展 — 一歩先へ。 は、辺の長さがすべて整数になる有名な直角三角形(ピタゴラス数)。、 も同じ仲間で、問題作りで好んで使われる — が分数できれいに出たら、この三角形を疑ってよい。
三角比の値は三角形の大きさによらない。 でも でも で同じ — 相似な三角形は同じ三角比を持つからだ。だから三角比は「形(角度)だけで決まる量」であり、角度の情報を数値に翻訳する装置として働く。この性質が、測量や物理でこれほど使われる理由である。
、、
別解
対辺・隣辺の取り違えを防ぐ、指差し確認の手順を紹介する。
角 の三角比を求める → 角 の頂点に指を置く。
- 斜辺: 直角()の向かい側の辺 — 三角形で最も長い 。どの角を見ても斜辺は同じ。
- 対辺: 指を置いた角 から、まっすぐ向かい側の辺 — 。角 に触れていない辺だ。
- 隣辺: 残り — 。角 に触れている(斜辺以外の)辺。
もし角 で聞かれたら — 対辺と隣辺が入れ替わる。、、。
(直角三角形だから)なので、これは という公式そのものだ。「サイン」と「コサイン」の "co" は complementary(余角)の意味 — つの角がペアで補い合っている。
検算は相互関係で。 ✓ — が成り立つ(三平方の定理の言い換え)。
ポイント
- 、、
- 『対辺』『隣辺』は見る角で入れかわる。まず斜辺(直角の向かい)を決める
- で検算できる
よくある間違い
- 角 と角 の対辺を取りちがえ、 としてしまう
- の分母を斜辺にしてしまう
- 図を描かずに定義だけで考え、辺の対応を間違える