数学I / 集合と命題
3つの集合すべてに属する人数の最小
問題
100人の生徒のうち、A を満たす者が80人、B を満たす者が75人、C を満たす者が65人いる。A, B, C のすべてを満たす者の人数として考えられる最小値を求めよ。
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「3つすべてに属する」を直接数えるより、属さない側(補集合)の人数を見積もる方が早い。属さない者は最大で何人か — そして、その最大が本当に達成できる配置はあるか。
解答・解説
方針
「すべて満たす」の反対側を数える。A∩B∩C に入らない者は、A でないか B でないか C でない者。その人数は多くても 20+25+35=80 人。よって全員100人のうち少なくとも 20 人は3つとも満たす。最小値には、補集合3つが互いに重ならない実現例を作って達成を示す。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 最小値の問題は、2本立てで考える。「下から押さえる不等式」と、「その値を達成する実例」だ。
押さえには補集合(ド・モルガン)が効く。3つすべてを満たさない者は、「A でない」「B でない」「C でない」のどれかに入る。だからその人数は、各補集合の人数の和 を超えない。よって3つとも満たす者は、少なくとも 人。
達成には、3つの補集合(計80人)を互いに重ならないように配置した実例を作ればよい。 だから可能だ。
① 下から押さえる。 補集合の人数は 。3つすべてを満たさない者の集合は で、その人数は
よって、3つすべてを満たす者は
② 20人が達成できることを示す。 100人を次のように分ける。「A だけ満たさない」20人。「B だけ満たさない」25人。「C だけ満たさない」35人。「3つとも満たす」20人( ✓)。
このとき A を満たすのは 人、B は 人、C は 人。条件をすべて満たし、3つとも満たす者はちょうど20人だ。
③ 結論。 最小値は 人。
まとめ: 「すべて」の最小は、補集合の「少なくとも1つ」に裏返して和で押さえる。そして達成例の構成(補集合たちを互いに素に敷き詰める)までが答案だ。補集合の合計が全体を超えるかどうか()が、最小値が正になるか0で止まるかの分かれ目になっている。
人
別解
表側から、2段階で絞る(補集合を使わないルート)。 「A かつ B」の人数から順に押さえていく方法もある。
まず2つ。A が80人、B が75人。合わせて155人ぶんの「所属」が、100人の中に詰め込まれている。あふれた 人ぶんは重なりだ:
次に「A かつ B」(55人以上)と C(65人)で同じことをする:
2段階の絞り込みで、同じ下界20人に着く。
どちらのルートも正体は同じ勘定だが、性格は少し違う。補集合ルートは1行で全体を押さえ、こちらは「2つずつ」の直感(あふれた分は重なる)を積み重ねる。あふれの感覚がつかみやすい人は、この段階式が手になじむはずだ。
ポイント
- 補集合の和で 。
- 3つとも満たす者 。
- 補集合を互いに素に配置する実例で20が達成。
よくある間違い
- 「いちばん重ならない絵」を描いて感覚で20人と答え、下界の証明を書かない。絵は達成例にすぎず、それより小さくできない理由が別に要る。
- 達成例を出したのに検算(A が80人、B が75人、C が65人になっているか)を省く。配置が条件に合わなければ例にならない。
- 最小と最大を取り違える。3つとも満たす人数の最大は 人で、これは別の問題。