数学I / 2次方程式・2次不等式
因数分解による2次方程式の解法
問題
次の2次方程式を解け。
(1)
(2)
(3)
ヒントを見る
『積 なら、どちらかが 』を使うので、まず左辺を因数分解する。(1)はかけて定数・たして中央の2数、(2)は共通因数、(3)は の係数が でないのでたすき掛け。
解答・解説
方針
2次方程式 は、左辺が因数分解できれば、それがいちばん速い。
カギは『2つのものの積が0なら、少なくとも一方が0』という性質。 なら か 、つまり か 。因数分解 → 積=0 → 各因数=0、の流れ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 次方程式は、まず因数分解できないかを疑う。できれば解の公式より圧倒的に速い。
因数分解の後に使うのは、たった つの原理 —
ならば または
(2)の は、両辺を で割ってはいけない。割ると という解が消える。必ず と移項し、 と因数分解する — これが最大の落とし穴である。
(1) を因数分解。かけて10・たして7の2数は2と5。
積が0なので、 か 。よって 。
(2) は、まず右辺を左に移して の形にする。
共通因数 でくくる。
か 。よって 。(両辺を で割って だけにしないこと。 の解が消えてしまう。)
(3) をたすき掛けで因数分解する。
よって から か 、。
まとめ:2次方程式はまず因数分解を試す。『積が0 → 各因数が0』が解法の芯。(2)で両辺を で割らない(解を落とす)ことに注意。
発展 — 一歩先へ。 「 で割ってはいけない」理由を、論理の言葉で言い直すとこうだ — 割り算は「 で割らない」という条件つきの操作だから。 の両辺を で割るとき、暗黙に を仮定している。だから が答えの候補から消えてしまう。
正しい手順は「移項して の形にし、因数分解する」— これなら で割る危険が原理的にない。方程式を解くときは必ず の形に集めてから、が鉄則である。この教訓は 次方程式でも、分数方程式でも変わらない。
(1) (2) (3)
別解
出した解が正しいかは、解と係数の関係で 秒チェックできる。
の 解を とすると
和は の係数の符号を変えたもの、積は定数項 — 因数分解 を展開すれば当たり前だ。
(1) 、解 :
- 和: ✓( の係数 の符号を変えたもの)
- 積: ✓(定数項)
合格 — 符号ミスがあれば、この 行で必ず露見する。
の係数が でない(3)では、 に対し
解 で確かめると、和 ✓、積 ✓。
因数分解の 数探しと、解と係数の関係は、同じことの裏表。「かけて 、たして 」で 数を探す作業は、解の和と積を先に知っていることに他ならない。だから検算にも使える。
ポイント
- 因数分解して『積=0 → 各因数=0』
- は に移項し、共通因数でくくる
- 両辺を で割らない( の解が消える)
よくある間違い
- (2)で両辺を で割り、 の解を落とす
- 因数分解の2数・たすき掛けの符号を間違える
- から解を とする(符号が逆。)