数学I / データの分析

偏差の絶対値の和を最小にする値は中央値

実戦編データの分析中央値絶対値最小単元横断

問題

相異なる実数 に対し、 を考える。 が奇数のとき を最小にする を求めよ。

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を少し増やすと、 より小さい点それぞれから距離が 、大きい点それぞれから 。傾き (左の個数)(右の個数)。これが をまたぐのは?

解答・解説

方針

は折れ線(区分的に 次)。 の左にある点の個数と右にある個数の差が傾き。傾きが負→正に変わる点(中央値)で最小。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 は絶対値の和 — グラフは折れ線(区分的に1次)だ。増減は傾きで読む。

がデータ点でない場所での傾きは、 ごとの の合計: 左に 個・右に 個なら傾き

が左から右へ動くと、傾きは から へ、点を通過するたび ずつ増える。 が奇数なら、傾きが負から正に変わるのは中央値のところ — そこが谷底だ。

重要 の傾き (左の点の個数)(右の点の個数)。負→正の切り替えで最小

① 傾きを読む。 のとき、 より左に 個、右に 個。 を微小に増やすと の変化率(傾き)は ② 符号の変化。 が小さい( 小)ときは負、大きい( 大)ときは正。傾きが負から正に変わる所で最小。

③ 中央値。 が奇数なら、 で傾き負、 で傾き正。境目の点 (中央値)で最小。

137中央値=最小
Σ|xᵢ−a| はデータ 1,3,7 の中央値 a=3 のとき最小(偏差の絶対値の和は中央値で最小)

まとめ の傾きは左右の個数差 。負→正に変わる中央値 で最小。「絶対値ずれ」の最小は中央値。中央値と絶対値関数(折れ線)の融合。

発展 — 一歩先へ。 が偶数のときは、中央の2点の間のどこでも最小(傾きが の平らな区間ができる)— 「中央値」を中央2点の平均と定義するのは、この最小区間の代表を1つ選ぶ約束事だ。また本問の折れ線の議論は、実数と1次不等式で学んだ の最小と同じもの — 3点から 点への一般化が、統計の言葉で意味を得た形になる。

を動かすと、 より左のデータ数と右のデータ数の差が傾きを決める(左 個・右 個で傾き )。 奇数では中央値 で傾きが負から正に変わり最小。

別解

外側からペアで押さえる(はさみの下界)。 最小と最大をペアにすると、三角不等式から

同様に内側へ: (等号は がこの区間内)、…と外側から順にペアを組む。 が奇数なら、最後に中央の1項 (等号は 中央値)が残る。

全部の等号を同時に成り立たせられる は、すべての入れ子区間に属し、かつ中央値に一致する点 — つまり 中央値。そのとき最小値は「外側ペアの差の総和」 になる。

傾きの勘定(本解)は増減を追う解析の道、ペアリングは「どの項がどれだけ下がれるか」を幾何(距離)で見る道。等号条件の入れ子構造まで見えるのが、この論法の御利益だ。

ポイント

  • は区分的 次(折れ線)。
  • 傾き (左の個数)(右の個数)
  • 傾きが負→正の中央値 で最小。

よくある間違い

  • が偶数の場合の感覚(中央の2点の間ならどこでも最小)を奇数の場合に混ぜて、「中央の区間」と答える(奇数なら1点)。
  • 傾きの変化を「点を通るたび 」とする(各 の傾きが と変わるので )。
  • データが相異なる(同順位なし)という仮定を使っている箇所を意識しない(重複があれば傾きの跳びが 重複数になる)。