数学I / データの分析

分散の変形(2乗の平均−平均の2乗)

実戦編データの分析分散平均式変形単元横断

問題

個のデータ の平均を 、分散を とする。(「 乗の平均」引く「平均の 乗」)が成り立つことを示せ。ただし とする。

ヒントを見る

する。 は定数。

解答・解説

方針

分散の定義 を展開し、 を代入して整理する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 定義どおりの分散 を、展開して整理するだけの証明だ。

展開すると

急所は2つ: (平均の定義の言い換え)と、。代入すれば真ん中が 、最後が になり、合わせて

重要

① 定義を展開。 を分配。 は定数だから (途中 を使った。)

③ 整理。

まとめ 偏差 乗の平均を展開し を代入すると 。実際の分散計算はこの形が速い。分散と式変形の融合。

発展 — 一歩先へ。 仮平均の恒等式 は、「どの基準で測っても、散らばりの最小記録は平均のとき」という次問の内容を先取りしている。統計的な推測(数B)では、この式の確率変数版 が同じ顔で再登場する — 記号は変わっても、恒等式は一生ものだ。

を展開し、 を使うと

別解

仮平均の恒等式の特別な場合と見る。 どんな値 を基準に測っても

という恒等式が成り立つ(展開すると交差項が で消える)。

ここで とおくと、左辺は 、右辺は — 移項すれば示す式そのものだ。

つまり「2乗の平均 平均の2乗」とは、基準点 で測った散らばりから、平均のずれの分を差し引いたもの。この恒等式は次の問題(偏差平方和の最小)でも主役で、実務では「仮平均法」(計算しやすい仮の平均で測ってから補正する)として電卓時代の分散計算を支えた式でもある。

ポイント

  • を展開。
  • は定数。

よくある間違い

  • とする( は定数なので和は と合わせて が1個残る)。
  • の置き換えを忘れ、真ん中の項が にまとまらない。
  • 記号 (2乗の平均)と (平均の2乗)を途中で混同する。