入試過去問 / 東京大学 2026年度 数学(理科)
第6問 3で割った余りで分けた約数の個数
出典東京大学 令和8年度 第2次学力試験 前期日程 数学(理科) 第6問
問題文は東京大学が公表した試験問題からの引用です。解答・解説はtelvia演習ラボが作成したもので、東京大学が公表したものではありません。
問題
を正の整数とする。 の正の約数のうち, で割って 余るものの個数を , で割って 余るものの個数を とする。
(1) を求めよ。
(2) を示せ。
(3) であるとき, がとりうる値を求めよ。
ヒントを見る
約数を3で割った余りは素因数の余りの積で決まる。3で割って2余る素数を1つ掛けると、余りはどう変わるか。 と を、素因数の指数で表せるか。
解答・解説
方針
で割って 余る素数は として扱えるので、約数の余りはその約数に含まれる「2余る素数」の指数の和の偶奇で決まる。 と を指数の積の形で表し、(2) は 、(3) は2つの式を連立して調べる。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) 約数を3で割った余りは、その約数の素因数の余りを掛け合わせて決まる。 で割って 余る素数はいくつ掛けても余りは のままだ。 余る素数は なので、掛けた個数の偶奇で余りが と に入れかわる。 を因数にもつ約数は余りが で、どちらにも数えない。
この見方で、 と を素因数の指数で表す。
① 余りの決まり方。 を
と分ける。 は で割って 余る素数だけの積、 は 余る素数だけの積で、 とする。 で割り切れない約数は ( は の約数、 は の約数)と書ける。 のとき
② (1) のとき。 で、、 である。約数 の余りは の偶奇で決まり、偶数なら 、奇数なら になる。
は から の 通り、 は から の 通り。 が偶数になる組は、ともに偶数の 組と、ともに奇数の 組で、合わせて 組。残りの 組は奇数になる。 は の 通りなので
③ (2) 差を積の形で表す。 余り の約数に 、余り の約数に を割り当てて足すと、 になる。① より、約数 に割り当てる値は で、 の選び方にはよらない。 の約数の個数を と書くと
は、 が偶数なら 、奇数なら だ。よって
どちらの場合も 以上なので、 である( のときは積の部分がなく、)。
④ (3) 和も積の形で表す。 で割り切れない約数の個数は
、 とおく。
⑤ 奇数の があるとき。 なので 。実際、 では約数 ()の余りが の偶奇で決まり、 となる。
⑥ がすべて偶数のとき。 、 から
だと なので 。 は奇数の積なので奇数で、 の は の偶数の約数 のどれかだ。それぞれ で、 になる。
どれも実際に起こる。 となるよう ()をとり、 は でつくればよい。
よって がとりうる値は である。
まとめ: で割って 余る素数は のように働くので、約数の余りは指数の和の偶奇で決まる。 も も素因数の指数の積で表せて、(2) は が か正のどちらかであること、(3) は2つの式の連立で調べた。
発展。 同じ考え方で、約数のうち で割って 余るものと 余るものの個数の差を考えると、それは を2つの平方数の和 で表す方法の数と結びつく(ヤコビの二平方定理)。 で割った余りで分けた本問の差 は、 と表す方法の数と結びつくことが知られている。
(1) (2) 解答を参照(証明) (3)
別解
別解:(2) を、2余る素数を1つずつ外していく帰納法で示す。 が で割って 余る素数 を因数にもつとき、( は で割り切れない)とする。 の約数は (、 は の約数)と書ける。 を掛けると、 が奇数なら余り と が入れかわり、偶数なら変わらない。したがって
右の和は が偶数なら 、奇数なら だ。これをくり返して2余る素数をすべて外すと、残りは で割って 余る素数と だけの積になり、その約数の余りは か なので である。1段ごとに値は「そのまま」か「」のどちらかになるので、最後まで 以上が保たれる。
ポイント
- なので、2余る素数の指数の和が偶数なら余り 、奇数なら余り 。
- は か で、どちらも 以上。
- のとき、2余る素数の指数に奇数があれば 、なければ から 。
よくある間違い
- (1) で の指数 の選び方( 通り)を掛け忘れ、 と答える。
- の倍数の約数(余り )まで や に数えてしまう。
- (3) で になる場合(2余る素数の指数に奇数があるとき)を見落とし、答えから を落とす。