入試過去問 / 京都大学 2026年度 数学(理系)
第5問 2つの正弦曲線が囲む領域を回転させた立体の体積
出典京都大学 令和8年度 一般選抜 数学(理系) 第5問
問題文は京都大学が公表した試験問題からの引用です。解答・解説はtelvia演習ラボが作成したもので、京都大学が公表したものではありません。
問題
は を満たす実数とする. つの関数 と のグラフの, の部分が囲む領域を とする. 軸のまわりに を 回転してできる立体の体積を求めよ.
(35 点)
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領域は 軸をまたいでいる。回したときの切り口はどこで穴のない円になり、どこで穴のあいた円になるか。上下の曲線のうち、 軸から遠いのはどちらかも調べられるか。
解答・解説
方針
2曲線の差 で上下を決め、原点についての対称性から の部分の 倍にする。下の曲線の符号で区間を分け、切り口が円か円環かに応じて積分する。 は の場合に折り返して戻す。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) 回転体の体積は、 軸に垂直な切り口の面積を積分して求める。この領域は 軸をまたいでいるので、切り口は場所によって穴のない円になったり、穴のあいた円(円環)になったりする。上下の曲線の符号と、どちらが 軸から遠いかで区間を分ける。
まず、2つの曲線の上下関係と、領域の対称性を確かめておく。
① 上下関係。
で 、 で なので、 が上、 が下で、2曲線は で交わる。、 とおくと、 は の部分である。
② 原点について対称。 なので、点 が に入れば点 も入る。 軸のまわりに回すと、 と での切り口は同じになる。よって、求める体積 は の部分の 倍である。
③ 切り口の形。 位置 での切り口は線分 を回したものだ。
- なら、 軸から遠いほうの端までを半径とする穴のない円
- なら、半径 の円から半径 の円を除いた円環
④ のとき。 では が から のあいだにあるので、。 は、 で 以下、 で 以上である。
では、どちらが 軸から遠いかを比べる。
で、 より なので、半径は である。よって切り口の面積は、 で 、 で になり
⑤ 積分を計算する。 を使う。
よって
⑥ のとき。 とおくと で
つまり は を 軸について折り返した図形で、回してできる立体は同じだ。よって
答えは
ではどちらも になる。このとき領域は と にはさまれた部分なので、 と一致する。
まとめ: 軸をまたぐ領域の回転体は、切り口が円か円環かで区間を分ける。対称性で半分にし、 では上の曲線が 軸から遠いことを の形で確かめた。 は折り返しで前の場合に戻せる。
発展。 は を境に左右対称で、 では となる。最大になるのは のとき()で、 ではない。領域の面積は で のとき最大なので、面積が最大のときと体積が最大のときは一致しない。
のとき 、 のとき
別解
別解: 軸の下の部分を上に折り返して考える。 回転体は領域の 軸より下の部分を 軸について上に折り返し、上の部分と重ねた図形を回したものと同じである。 は原点について対称なので、下の部分を 軸について折り返したものは、上の部分を 軸について折り返したものに等しい。
したがって、 の区間で折り返した図形の上の端は、 と の大きいほうになる。
なので、()なら上の端は のままで、 なら のほうが高くなる。本解の④の比較が図の折り返しから読み取れる。
この見方で体積を計算し直すこともできる。 のとき、 の円環の部分は を使うと
なので の項は消え、 と、本解と同じ値になる。
ポイント
- で上下が決まり、2曲線は で交わる。
- 軸をまたぐ区間の切り口は穴のない円で、半径は 軸から遠いほう。
- の領域は の領域の折り返しで、体積は同じ。
よくある間違い
- 切り口をいつも円環 として計算し、 軸をまたぐ区間でも を引いてしまう。
- 軸をまたぐ区間で、半径をいつも上の曲線 と決めつけ、 で下の曲線のほうが遠くなることを見落とす。
- でも を答える。 を に近づけると値が に近づくが、領域は細くなって体積は に近づくはずなので合わない。